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ガソリンスタンドの自動販売機は
ドリスのために置かれている、なんて話が
囁かれている人気のない小屋。雨風に曝された
プラチック板は、透明というより白濁色。
おぼろげな陽射しにあふれた―、そこに ....
静かなところに
土手か あぜ道か
そこらに
とりたてて めでたくもないが
ハーモニカの記念碑を建てよう
風が 風が吹いたなら
地球にたくわえられた音が
プァ プァ
聞こえるような
....
それを少女は
みなに内緒にして
草むらのなかを
さがしていたんだ
川につらなる
あたらしい蜘蛛たちは
糸に針とえさをつけて
釣りをしていたり
雲のなかでは
ニンジンをぶら ....
廃墟で美しい女が窓を拭いている。
手にしていたのはハンカチか、雑巾か、どちらにしろ
窓のガラスは全部割れていた。
柱の陰から鼠が、いつかいつかと
女を驚かす機会を伺っていた。が、それは無駄だ ....
工場地帯の駐車場に捨てられていた吸殻から
男女のひそやかな絆が曝される。互いにひかれ合う、
男と女の意欲と表象、一度出ると伸び広がりつづける地平線に
偽りの太陽や月が、沈まずに居座っている。何個 ....
夜明けの風にほどかれた
雲の帯をたぐるように
よぶように手を伸ばす
朝日 そのへりにそって歩くぼくを
路地の無音のスピーカーが振り向かせる
民家の中 ただひとり
あのひとが嘲っている
日 ....
見上げてみたところ、誰もが手を取り合ってる様子。「やあ」とか、
「またね」とか、迎え入れる言葉はまだまだ尽きない。
とあるレストラン。ナプキンの上に置かれたままのナイフとフォークは
スプーンに ....
「だって、WAXをかけた車の雨粒をはじく姿が好きなんだ。」
ふってくる五月雨は その他 いくつかの言語を残した。
けれど歌いはしなかった。
夜の映画館、「一つの思い 一つの歴史」と宣伝さ ....
自由はみな、無重力の選択圏内を潜行している。
そして、揺るぎない遅れを知る。
しわくちゃな角笛を持ったサンチョ・パンサ
この身を一体此処からどこへ連れて行ってくれるんだい?
二月の闇に ....