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なつかしい
とつぶやくと
ふいに遠くなって
いとおしくなる
今ここにあるものなのに
今ともにあるひとなのに
あなたの手
あなたの腕
あなたの胸
どんなにか遠い
今こ ....
ここはキップルの岸辺
聖なるアイビス
トキ色のフェニックスはフラミンゴ
眠たげなムネーモシュネー
記憶の女神
さようならの廃墟は
夢において不毛の大地
アインすなわち瞳、
とい ....
今日、ひらりと
アオスジアゲハに会いました
モルフォ蝶などは
森で空飛ぶセロファンのようだそうですが
五月晴れした青空と
同じ色乗せた羽根でした
どのクスノキかで春を迎えた彼か彼女 ....
夏草に朝露を見るたびに思います
まだ五月だよ
ススキの異称、露見草
ススキといえば月見の秋と
思われましょうがあれは夏草
けれども今はまだ五月
そこでそよそよしてるのは
去年のス ....
おたまじゃくしたちはみな元気です
明るいネクラの未婚
賢しらな{ルビ猿=ましら}の胃の中で
自詩も
アポトーシスも悪くはないけど
溶けもせず
溶かされもせず
ひとりひとりのとおり ....
思うから現れるのです
幻視であれ
見てしまうから
桜の木の下には
死体が埋まっているというその桜は
いつも必ず満開の桜でしょう
だからあんなに
山ざくら里ざくら
一重も八重も
....