1
無印の裏の自動販売機に
たまに売ってるオタマジャクシみたいなの
120円入れたら二個出てきたから
ポケットに入れて家に帰ると
一個死んでた
2
確定申告を出した帰 ....
誰にくれてやることもせずむさぼった
粗いフィルムの陰影を透しスカートから
のぞくガーターの片りんを思う
音量は振動となり骨肉に伝う こんなときには
ありがたい むさぼるだけ
むさぼっ ....
右曲がりの坂道を
30歩のぼったところ
雨上がりには
アジサイが
酸性やアルカリ性に色づくので
それならば涙は、と
通りすがりのにわか雨を
ふたたび
つま先に
ひと ....
ぼくの中の沸騰石はころころ
指のさきまで転がるんです
背骨を真っ直ぐにしている力よ
どうか今すぐに椅子ごとざわめきを引きちぎって
このぶつかりを
愛だと言わせて下さい
きみに言わせてくださ ....
耳たぶが
熱い
空調装置にたしなめられた
浅いシーツのような室内の夜には
昼間に溜め入れた太陽の
滴りそうに赤い耳たぶ一滴で
ベッドが太陽の海になってしまうのを
防ぐ ....
二組の親指と人差し指で
フォトグラフを撮りながら僕らは
あの一瞬一瞬を上手に繋げて
永遠を作り出す予定だった
空に雲は要らなかったし
海に波は要らなかった
砂浜に足を浸した少女が
僕 ....
駅のベンチで
ひとり晒される風に
カラカラカラカラ
風車が回る
前かがみな夜に
迷い進むタバコの煙りも
なんて遠くへ
風は一瞬に運ぶ
僕の眼の裏で
カラカラカ ....
不意に
あたし窓と
繋がってしまう
鉛筆で
描かれた
教室の
窓
田の字のあたし
とても
赤い空が
あたしの中
震えてて
どんな
ちいさな欲望も
残さず
きれ ....
空き地の
錆びたエイチ鋼
水色狂気に
夕日が刺さる
眼科の前
露天の油膜
長居して
心恨んだ
バス停迷走時刻表
斜塔煙突の
複雑骨折
幽霊雑居ビル
友はくびれた屋上の
....
一人の命は地球よりも重いのです
ましてやそれが三つもあるのに
地球は一個しかありませんよ
命だけは助けてくださいと
あやまりなさい
お願いなさい
土下座もなさい
裸踊りもなさい
....
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