健康な足音は一昨年の写真の向こうに逃げて行ってしまった

固まった笑顔は癖
すっかり 乾いてしまって
私の喉はもう唄わないのです

ドとレとミとファとソとラとシ
それぞれの変と嬰
舞台 ....
僕は右に少し傾いている
君は左に少し傾いている

まったく逆に傾いているのに
傾き具合はほとんど同じだから
二人が向い合せになると
正確に見つめ合ってしまうけれど

僕は君の傾き方 ....
山々を裂いて生まれたのはすいけんの水でした
あの時のかぜをおぼえていますか
暴風が吹き荒れ わたしの前に立ち
少しずつさがっていくわたしのせなかを撫でたのはあなたでしたか
日がおちて朧 ....
ゆるい陽射しの中で
体温のぬくもりの
風に吹かれながら
冬の風に思いをやる

春の余白には
冬の物語を
書こう
たまには冬の風を
吹かせて
震え上がらせる
恋物語には
波乱はつ ....
ウンディーネの
こころの中の
森には
小川が流れている

古い
悲しい
物語が
赤い糸の輪のように
ぐるぐる廻る
騎士とニンフの
終るために
始まる
物語
水界の定めに
 ....
君よ

強く羽ばたき
何処へ翔び発ち…
何処まで翔びたい?


君よ

わかってるはずさ
あの峰を越えられないと…
それは偉業でなく無謀だと…


君よ

知っ ....
むしろ、さくらではなく
今朝の濁った空色が
薄灰色の風となって
じんわり染みこんでくるのを
わたしは待っているようだ

三寒四温の春は寡黙に地を這って
あたらしい芽吹きを迫る
枯れ枝に ....
捻り出された想いは
ホースを伝い
溢れる言葉に変え
シャワーヘッドから降り注いで
散々になった言葉は再会し
絡み合っては離れ
魅惑の扉へと
吸い込まれる


瞼を開いて
仰げば一 ....
桜咲く

胸痛くなる

木蓮がそれを告げる

傷つく準備かたくする

君と再会してしまえば


宇宙の碧まで連れてゆかれる

暗闇のような碧まで

堕ちてゆくように舞い上 ....
もくもくと
床磨き

とんとんと
整理整頓

掃除を
したのに

てんてんと
足跡が付き
三月の終わる頃
闇に紛れて
声がする
 ずっと つぼみのまま
 咲かなければいいのに
昨日は春の嵐
つぼみのままの
枝が落ちた
桜は咲き始めとか
散り際だ
とひとは言う
つぼみ ....
たくさんの
思い出に囲まれた
箱の中で

春まであと少しと
必要なものを丁寧に
包んでいく

持てないからと
選ぶしかない別れにも
振舞いだけは潔く

過去も未来も
考え ....
からっぽのぼくだけど
きみでは満たされない
本を読んだら
真っ黒のジュース
ぼくに満たされる

からっぽのぼくだけど
よれよれにはなっていない
天日干し一夜干し
流れ星がいいな
目 ....
まいにちが

わかりやすいしあわせに

みちた日々であれば

ぼくらはそれを

しあわせと呼ぶのだろうか


春のかおりが

夜にひびいている

ぼくらは

さびしく ....
日はでても見えぬ季節と
なり タワァ排煙をのぼせ
葱嶺{ルビ=パミール}いよいよひかり

    ☆

むねをつく はばたきの音
夢ときえ
夜半{ルビ=よわ}の水面{ルビ=みなも}に  ....
デージー (無邪気)


他愛ない君の言葉がそよいで

僕の唇の端に小さな花を咲かせた

飾り気のない君の笑顔がとろけて

僕の胸の奥の陽だまりになった





 ....
 
彼女は画家のようで
引き込まれる色彩、に
私は、くらくら
目眩を覚えた
 
使い古しの筆先
さわさわ、っと
泣いているのかな
 
 
彼女は詩人であり
恐らく数奇な
数多 ....
雨は、涙のことを知っている気がします。
涙は、海のことを知っている気がします。
海のことを知っている雨は、
風を知っている気がします。
風は、涙のことを知っている気がします。

風 ....
寄せる唄が騒がしく 聞き耳立てる瓦屋根

冷たい肌を晒け出し 指を差し出し、かざぐるま

白い糸なら愛おしい 靴が濡れてもアホらしい

渦巻く太陽独り言


辺りを漂い、さまよ ....
終わりでもなく
始まりでもない

流れている時間の
中間にゆらゆらと

忙しく
慌しい

毎日を床に置いたまま
明日も考えず座り込む

ひとりであり
ひとりでなく
過ぎていく 冬の背中を 見送って

木蓮を 仰ぎ見るのに 湿る土
壊れた空には傷痕ひとつ。
草にまみれて手を伸ばし、
嘘ぶく風が吹こうとも、

夢の切れ端 溶けてはなるまい。

---------------------

あばらの浮いたこの体
流 ....
昼下がり
並列自転車のトンネルで
独りの黒猫に出会いました。



一目で野良だとわかるほど
やせ細った背中が
今にも消えてしまいそうに見えたので


カタカタ揺 ....
繋がって
また
諦めた
歯がゆさで
ワンマン電車が走っていく

わたしの
肯定を知りたい

たくさんの競争心を
おぼえたふりをしていたらしい
甘やかされている時間にはふと
だれ ....
けだるさと清新 混じりあった 朝

わたしはキミの乾いた舌に
磷となった 一塊

キミの舌は乾きすぎている
キミの舌は乾きすぎている

吐き出したいことばも
飲み干すべき痛みもみ ....
   破れがさ

    さして見上げる

   空もよう

    人のささやき

        くもり後くもり
  静か。



  過去、いくつもの過去が来て
  未来、いくつもの未来が来て
  いまきみに重なる。



  ぼくは息をのむ。



  西日に映えて、
  ....
あの山裾の梢をわたる
すきとおった碧い風をおいかけて
どこまでも はしっていきたい

だれが紡いだのか
硝子の鱗片おしのけ膨れあがる
糸屑を どこまでもほぐしていきたい

畏れを知らな ....
あらたまの年ごと見ゆるけしきなれど
わたる風にも 乗らむ妹背ら

    ☆    ☆

ぬばたまの馴れにし衣{ルビ=きぬ}は けふを限り
旅立ちの日は 天翔けむかも

    ☆   ....
ころんで転がってこげ茶色のパウダーでくるんで
ぱしってぱしられてあったかいポタージュ握りしめて
ゆれてゆれすぎてブランコを壊して

使い慣れたノートに一行だけ
本音らしい文字を何色で
 ....
m_on+さんのおすすめリスト(61)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
かつての響き- 照留 セ ...自由詩209-6-15
傾いた二人- nonya自由詩14*09-4-23
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余白- フクスケ自由詩109-4-14
「水妖記」(ウンディーネ)- フクスケ自由詩109-4-4
風の息- 三之森寛 ...自由詩3*09-3-29
あまのじゃく- 銀猫自由詩12*09-3-24
希望の宇宙(せかい)- 三之森寛 ...自由詩2*09-3-24
桜咲く- 吉岡ペペ ...自由詩609-3-23
くりかえし- 未完自由詩4*09-3-23
つぼみ- フクスケ自由詩109-3-21
身支度- 未完自由詩5*09-3-20
ぼくはからっぽ- そらの  ...自由詩6*09-3-20
春の夜- 吉岡ペペ ...自由詩2009-3-18
春日幻影- Giton短歌2*09-3-17
花言葉四行詩_<12>- nonya自由詩9*09-3-15
いずこへ- 琥霙ふう ...自由詩1*09-3-15
創書日和「透」_とうめいの、はなし- ゆうと散文(批評 ...3*09-3-14
寄せる唄が騒がしく- 雨野六也自由詩109-3-14
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過去にならない- 未完俳句1*09-3-13
壊れた空には傷痕ひとつ。- 雨野六也自由詩409-3-11
黒猫の航路図- 夏嶋 真 ...携帯写真+ ...9*09-3-10
黒潮鉄道- 伊月りさ自由詩35*09-3-9
乾きすぎた舌- 甘雨自由詩109-3-7
破れ傘- sya自由詩209-3-7
夕凪- 草野春心自由詩409-3-5
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セピア2- ひとあめ自由詩609-3-2

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