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そんなに
尖ったヤツで
横腹を突っつかれたら
陽気な中身が漏れちゃうじゃないか
暖色の粒子を頭から浴びて
みっともない笑顔になっても
知らないよ
「晴」
青空の尻尾が眉間を撫でると
開いた眉がくすぐったそうに泳いだ
昨日の薄皮が少しずつ剥がれて
今日の陽光にりるりるとはためいた
「耕」
....
夜も更けて
もうすぐ
最後の曲の余韻につかまって
奴等がやって来る
隙間だらけの言い訳で
目隠しした僕の回りを
ゆっくりと巡り始める
イヤホンの内側で突然に
発 ....
「妖」
熟れた日常を引き剥がし
馴染んだ名前を脱ぎ捨てて
あなたの熱は儚く溶けた
残り香だけを朝に置き忘れて
「怪」
仄暗い四辻を右へ折れた ....
伝え切れない言葉が
君の瞳から溢れ出した
背中から湧き起こる
熱くて塩辛い波に巻かれて
僕は言葉を手放した
伝え切りたい言葉が
君の口元で閃いた
胸の岸辺を抉られたまま
....
少し鼻にかかった柔らかな声が
携帯電話から溢れ出して
飾り気のない長い夜を
暖かな色で満たしていく
他愛ない話の繰り返しよりも
ひとつひとつの言葉よりも
君の声を近くに感じていたい ....
背中越しに交わす
他愛ない会話がいい
近すぎず 遠すぎず
君の側にいられるのがいい
あまり上手じゃないハミングの周りで
立ち昇る湯気が和らぐ
とても懐かしいにおいの風下で
閉じか ....
君のまあるい心と
僕の角ばった心が
ぶつかった
君は少しへこんで
すぐ元にもどる
僕は角がつぶれたことを
いつまでも気にしている
君のまあるい心と
僕の角ばった心が
はず ....
僕は右に少し傾いている
君は左に少し傾いている
まったく逆に傾いているのに
傾き具合はほとんど同じだから
二人が向い合せになると
正確に見つめ合ってしまうけれど
僕は君の傾き方 ....