思い出すのはあの川沿いの桜たちの笑顔です。
ノイズ混じりの優しい歌。
いつかこの温もりを言葉にすることができたらなと思う。
種を蒔け
たくさんの葉や花や
実をつける種を
種を蒔け
君の愛した人に
君を忘れさせないように
種を蒔け
君の生きた証を
残す旅に出た時に
種を蒔け
いつか ....
真実ばかりの積み木は ゆっくりと嘘になる
やさしいばかりの囁きは やがて毒になる
嘘ばかりの言葉が 思い出のすべてになる
時間をかけて選んできたわたしの体が
あなたの嘘のおかげで
....
祝って喜ばれなかった
なんとかの日に
なんとかについて
思い出したように
書くんじゃねえよ
しかも目新しくも
何ともないことをよ!
何だ?次は母の日か?
「あの日2階から降りてきた
お母さんが流した涙の ....
疾走する風景
旅は 続いている
車窓を流れすぎるのは 人々の暮らしそのものだ
揺れる視界 窓から一瞬香る 早春
行く当てのない旅
居つこうとする心が 飛びすぎる
....
花嫁よ
しろい、チュチュに包まれて
向かうのは地獄
花嫁よ
長いレースはゆるやかに
階段を下りてゆく
花嫁よ
オフィーリアの叶わぬ夢を
手にしているのは、あなたへの薔薇です
....
ばばあやじじいが
木や花や風や山をうたうのをみると
あんたらもそろそろ
土に帰るんだもんなあと
一瞬優しい気持ちになって赦したくなるが
その割に月水金と医者通いして
12種類の薬品漬けで
....
そのタネ知ってるの声が聞こえた
娘の反抗期も
そろそろ終わりかなあと
やれやれと思う反面
なんだかそれはそれで
一抹のさみしさもあり
手放した自覚もなく
ああ、季節というものは
こんな風に過ぎてゆくものなんだと思う
....
名前を尋ねられたので
火葬場の薪とわたしは答えた
山の落ち窪んだ場所にある
コンクリートの壁のなかの
あの鉄扉
白手袋
手袋は二足歩行して
乾燥した骨を拾っている
くすんだ ....
シャワーが出るほうへひねってしまった
原発0を政府として打ち出しているドイツでは
原発はまだ稼動している
原発再稼動を政府として打ち出しているこの国では
原発は一基も稼動していない
この国はもう実質的には原発0なの ....
目を覚ませ それは本当の自分じゃない
夢ばかり見ても 叶えようともしなければ
何も変わらない
何時までそこにいる?
一歩踏み出してそこから飛び出せ
ふぐちょうちんもシュウキンペも
銃殺刑になるぐらいなら
いっちょ、戦争でもしかけてやっか
って思ってること
いい加減バレバレなんだよ
でもよ、やめといた方がいいぜ
日本人の本性は意外と
....
新たな年の目覚めと共に、大いなる父、
日輪は、貧しき山麓の村を照らす。
明けましておめでとう、という言の葉が
人々の白い息に紛れて、辺り一面散り散りに輝いている。
過ぎていっ ....
等身大の病
その名を
少年という
あの人のこと悪く言わないでおいてよかった
この世に亡き方は
すべてを
香りで感じると聞きました
なので
大切なことを手紙にしたため
手紙とともに香を焚き
言葉を香りにのせて
先に送ります
この世で会えぬ ....
山の際を淡く染めていく
年の初めの最初の光を
あつめてできるノートがあって
誰にでもあるそれは
こどものうちはとっても厚いの。
書いても書いても尽きることはないの。
大きくなると見返すよう ....
深い森の中
ダンサーは
柔らかく しなり
五感を開放して
踊りながら 問いかける
古代の森が醸す
気高く
人を受け入れることの無い
重い気配
人という種の 居場所 ....
幸せ踏みはずし夜がながい
掟破りをしてしまった…
ごめんなさい
ただ私の事を知ってる君だから
君に相談にのって欲しい事がある
天まで届け
間違いたくて最終電車をやり過ごす
日付が 変わった
きょうは
だれに
さまよう
幻想を見るのは自由だと言い聞かす
差し出したものに見合うだけの温度が欲しい
どなたか
....
話題が見つからない夜ばかりである
話して怒られ話さず怒られ
南から風
そのあと
風が空を押し上げて
秋の空が高くなる
その高い空の下
山は赤く
地は黄金(こがね)
輝く色のグラデぇーション
実りの時を触 ....
夜よ ずっとここに とどまっていてくれないか?
私は 蛍光灯の元 闇から身を潜めている
闇は闇で 光から身を潜めたいもの達で
ひしめき合う
夜よ ずっとここに とどまってくれないか ....
終電近くの私鉄に揺られながら
天使と呼ぶに相応しい存在を数えていた、
つまり地を這う目線から
多くを見ることを教えてくれた存在について
そして余りにも多くの天使たちが
空に落ちていっ ....
僕が君にかけた言葉に
足りなかったひとつまみの愛
投げやりになって疲れ果て
忙しくってもこれにまさるスパイスはないんだ
わすれちゃあいけないひとつまみの愛
ありあまるものでは替え ....
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