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{引用=
どれほどの心が割愛されているかを考えれば
事象としてのみ繋がることを選んでゆく日々
シーニュの隙間から零れ落ちてゆくものらの
見えない表情を想うほど愛を思い知ってゆく

あどけな ....
私が殺した父母の名は
何度も産み直そうとした起源
月が満ち止め木が外れ流れ出す
無数の零の残骸
反芻する昨日の
無限に続く今日の
家族を殺して先へ先へと
何者にも成れぬまま
アプリ ....
{引用=
「おはよう、
せっせとお弁当箱に昼食を詰める
この世界のなんらかに収まりなさいと
話しかけてくる忙しげな背中
通学路に捨てられた雑誌には
艶びかりする牡牛の角と蛙の屍
女の子の ....
{引用=
紙上に佇む
痩せ細った枯れ木
磨り減ったペン先がつけた
掻き傷の隙間に
深く根を張るインクの滲み
どこに行くとも
なにを残すとも
示さぬままに
埋まってしまった行の終わりの ....
{引用=
不完全な過去 不確実な現在 無知な未来



カスタネットの赤と青が嫌だったから
いつも校庭のすみっこで地面に円を描いてた
繋ぎ目がゆるんで共鳴しなかったから
いつも答案用 ....
{引用=
空っぽの水瓶がひび割れる音がする
誇りを失ったその時は殺して
無様に誰かの足元に跪くことのないように

空想の純潔を
手折る薔薇を
遠視する愛を
合わせ鏡に映して

時々 ....
綺羅星の王冠を眺めながら
骨のようにかたい胡桃をほうばる

失楽園からの贈物に
境目のない儚い理想を夢見ながら

昨日の怒りを
今日の喜びとして享受して

往ったり戻ったりする荒野の ....
{引用=
雨が降っているの
こころの奥深くで
あの夜のような朝からずっと
それでも空は晴れているから
傘もさせずにびしょ濡れのまま
けれどあなには見えない


魔法のような
私を支 ....
{引用=
どこまでも遠浅の海岸で
白波を追いかける明方
目覚めると涙を舐めていた
すぐ熱いシャワーで
洗い流そうとしたのに
いつまでも耳奥から波の音が消えずに

こんな音
溺れる前に ....
{引用=
降りてくる朝の手綱を引いて
静寂の中にひっそり佇む戸口を叩く

小径を満たしてゆく血潮が瞼を温める
レンズの向うに産まれた半透明の結晶が
ぶつかりあって溶けてゆく

あらわれ ....
{引用=
眼球の筋肉が弛緩して光を巧く捉えられない
ぼやけた視界を懸命に凝らして
壁つたいに歩いてゆけば出口に辿り着くと呟いてみる
規則性を見出そうとする心には不安があるのかな
皺を寄せた眉 ....
{引用=
誰も知れない部屋に
愛しい疲れて飽いた私のプシケ
その瞳の黄金の闇に恋をしてから
どうにも朝が眩しくて

指先に掴めない月光を纏わせて
草原で花冠を編む
春雨のような声で静寂 ....
{引用=
木洩れ日おちる
春の小道
端はにゆれる
野の草の
やわらかな
つややかな

風撫でる 葉先
 (絡めた小指)



陽射しが 美しい絵画の色彩を奪っていくと言う
 ....
{引用=
ハルが鳴く

寂寞とした夜が明け
やわらかな陽射しが
小さな籠をみたす頃

デジタルのアラーム音に
携帯のモーニングコールに
沿って響く
心地よい声が
目覚めを誘う
 ....
{引用=
おまえは死への憧憬もないまま 籠を抜け出して
まだ春も遠い 凍える大地へと羽ばたいていった
空高く飛翔することも出来ない そのか弱い翼で
導きの手もないまま 朽ち果てる身体は
誰に ....
{引用=
敷居を跨いで 声高に罵ってくれ
トゥーレを歌いながら 首を絞めてくれ
あらゆる支配で 心を埋め尽くしてくれ
//
最初は澄んでいたことも知っているくせに
どうして人は醜さから目を ....
{引用=
幼い頃から爬虫類や両生類や昆虫が大好きで
森の中でそんなものたちと出会ったら
木苺にでもなって食べられたいと思ってた

青々と茂った中にちらほらと咲く白い花
水底の砂利まで見える ....
{引用=
重いドアをから入ってきた日差しが、また去ってゆく
追い掛けてもだめ
太陽はおまえのものだけではないから
悲しげね
寂しげね
だから言ったでしょう
おまえは野の兎を捕まえるように ....
{引用=
紺碧の空が紅く燃えている
何かを予言するように

逆方向に流れていく 蜂蜜色の雲を眺めていた
握り締めている 何度も確認した時刻表は
文字が見えなくなるほどかすれて 消えて
蝶 ....
夏嶋 真子さんの高梁サトルさんおすすめリスト(19)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
沈黙の表情- 高梁サト ...自由詩8*10-10-6
零のうたごえ- 高梁サト ...自由詩7*10-9-23
逆創世記- 高梁サト ...自由詩15*10-7-16
6月の海- 高梁サト ...自由詩22*10-6-14
未慣性モーメント- 高梁サト ...自由詩21*10-5-27
鐘と棘- 高梁サト ...自由詩12*10-5-19
革命家はいらない- 高梁サト ...自由詩6*10-5-18
花のうつろい- 高梁サト ...自由詩10*10-5-11
monologue- 高梁サト ...自由詩10*10-4-6
最初の音- 高梁サト ...自由詩13*10-3-24
乱視- 高梁サト ...自由詩13*10-3-11
真夜中のロンド- 高梁サト ...自由詩12*10-3-7
きみのかわりに綴る- 高梁サト ...自由詩9*10-2-21
主旋律- 高梁サト ...自由詩9*10-2-17
シーニュとしての擬似死- 高梁サト ...自由詩10*10-2-11
僕のファウスト- 高梁サト ...自由詩6*10-2-9
ハルミ- 高梁サト ...自由詩7*10-2-8
私の愛したサテュロス- 高梁サト ...自由詩5*10-2-5
辿り着きたい- 高梁サト ...自由詩4*10-2-1

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