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夏になりきれないままの陽気
心地よさを感じさせる風が流れる度に
何故か懐かしい記憶が駆ける
まるで実りの薄い穂先を満たすよう
年月という重さはまだ
温もりを保てない水の底にあって
語りかけてはくれ ....
四季を彩るは
地と
そこに根付く木々や草花
呼吸を彩るは
空と
そこにたゆたう陽や月
鼓動の中に記憶は流れ
五感の中に今が記される
起こり続いていくだろう全ての事柄に
無意味は存在しないと言うが
....
ひとにぎりの世界しか生きていなくて
端と端が繋がって
わたしからは
到底、端が見えない
いつの間にか
周りには繋がりだらけで
端にいないわたしたちは
宇宙の端が見えなくて
....
トルコ料理店でベリーダンスを見た
息子ふたりは
ギュッと目をつむって恥ずかしがっていた
下の子はそのまま寝てしまった
寝ているのにパンをかじった
上のは指で耳をふさいでいた
たまに目をあけ ....
足早に
通り過ぎる
一瞬の
闇
裸の 木々 の
合間から
冬のかけらが
光を 浴びて
き ら き ら
ひ ら ひ ら
舞いおちる
君は 麗し の 華
この つめたい も ....
一針一針
縫い込んでいこうよ
こんなふうに
キルティング・ツリー
わたしたちも
これからを
きょうのお日様は
もうすぐ
海に沈んでいくよ
つめたい風
うちよせる波
お魚は釣れなかったね
夕闇の公園。
まだ光るオフィス。
缶コーヒーと草の匂い。
空はもう、おやすみ。
子どもの声。
イヤホンの耳栓。
遠い道路の騒音。
空の寝息。