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長い長い、ゆめが落下して
重さを忘れたわたしは、大きな幹の鼓動を聴いている
その音と音のリズムが春の速度と似ていて
甘い甘い、きみも落下する
そこらじゅうに溢れているのは、
多分、今年の
....
空の涙は
私の手のひらで
悲しみを預けながら
そっと
冷えた空気に混じりあう
音もなく消える
その悲しさを
何に伝えたらよかったの
わくわく
サクサク
ぽかぽか
鼻をくすぐるよ。
春の匂いはどんな香り?
ふわふわ
さわさわ
そよそよ
風が柔らかくなるよ。
私の頬をやさしく撫でるの。 ....
何故かあのひともそうだった
年上の素敵な奥様がいて
それなりに幸せな家庭を築いていた
そしてそんな男の軽い浮気心に惚れてしまう女がひとり
初めて出逢ったのは真冬に逆戻りしたような夜 ....
緑あふれた
かの沼地には
蓮の花が咲き誇り
緑あふれた
かの沼地には
ホテイアオイの紫色の花々が
咲き誇りすぎ
黄金色の魚体が
ぐらり揺らげば
緑あふれる隙間で
透き通っていたはず ....
色んな人がいる。
楽しそうに騒ぐ人達。
ゆったりと話をする人達。
孤立している人達。
あちこちをうろうろしている人達。
教室という名の小宇宙を一目見渡すだ ....
みそひともじの
みそひともじの
こいのうた
みそひともじの
みそひともじの
あわれうた
かなわぬこいの
かなわぬこいの
つづりうた
あわれをうたう
あわれな ....
狐火
東京タワーのライトアップのバイトは
少し怖かったけど時給の油揚は厚かった
明日は午後6時にお台場集合らしいけど
エコとか言って体よく使われてる気がする
人はあやかしなん ....
(ローゼズポーゼズモーゼズトーゼズ)
(スノーフレイクスオンアイラッシズ)
…
鉄工所で溶接
夢で描く美女は妖絶
ダムダム
プレートからは
ダムダム
まっさかさ、ま
機械のド ....
雨の降る日、電車が遅れて
まだアナウンスを聞いていないあなたは
いつものように向かいのホームにいる
今日はそのホームじゃないと
隣であなたの友人が叫ぶ
あなたはこちらを見た
雨の向こう ....
木魅 (こだま)
「好きだ」
溢れ出した想いを返せないまま
あなたは土に還り
わたしは朽ちることもできずに
「好きよ」
抱えすぎた言の葉をざわめかせながら
夜毎 すすり泣 ....
「ジェニファー。ジェニファーじゃないか」
後ろから男の呼ぶ声が聞こえた。
「いいえ違います。私の名前はシャクトリムシ。ミドルネームはヘンリエッタ」
するとざわめきが起こった。尋常じゃない雰囲 ....
ジグソーパズル
300ピースより難しいのは1000ピース
1000ピースより難しいのは白黒モノクローム
白黒モノクロームより難しいのは裏返し
裏返しより難しいのは全天恒星図
ラッセンとか ....
露に濡れた車の窓に
髪のあとがうっすらとあって
遠くもない思い出をちくちく突く
真冬の明け方は思いの外冷えもせず
終わると思った恋は終わりもせず
まだ暗い南の空にカラス座
不幸のヒロイ ....
チャイナドレスからのびた白い足
細くて綺麗で素敵
ジュリアナ扇子 どこで売ってたの?
時代関係なくモテ期
君のこと シンデレラぐらいに思っているよ
嘘じゃないさ 大袈裟だけれどね ....
晴れ間を見ることもない季節の真ん中で、
僕は、一人、
梅雨の空の底に沈んで
ゆらゆらと漂い、
腐って行く。
空に浮かんだ溺死体、つつく魚もいない。
途切れない雲は
灰色の、鈍色で、
痛みや ....
満天に輝く星が失せ月満ちたなら
花咲き誇る野に出でよう
春霞、薄絹の衣を纏い夜露に身を沈める君を鎮める為に
蒼い青の光受け
愛を藍に染める君の
儚くも甘美な情を探りに出かけよう
刻は宴の盛り
時 ....
さて 困った
まぶたとケンカをしちまった
ヤツめ スネて開かなくなった
もう知らないっ
吐き捨てて それっきり
ウンともスンとも言わなくなった
さて 困った
もうすぐ朝になっちま ....