午前4時
夕暮れが恋しくなる頃
息の白さが深く沈む
繰り返すさみしさの波に
黒く溶けていく

闇の中で誰かがいった
こんなはずじゃなかったよな
そうだな、こんなのは
どっかのグズ ....
 
 
お線香の匂いがしたよ、
田中君の家の前
誰が死んだのだろう
誰が死んでいるのだろう
誰が生きているのだろう
田中君に聞いても
答えてはくれない
田中君も僕も
もう子供じゃな ....
真冬の朝
道を歩いていると
飛べなくなった小鳥を目にすることがある
数年に一度
いつも忘れた頃だ
そっと捕まえ
コートの内ポケットへ忍ばせる
少しおくと
飛べるようになって
やわらか ....
スマホで育てられた子どもたちは

やがて

スマホで介護するようになる
説明 解説 言い訳
どれも要らないと云った
ただそのままで
あなたは惹きつける


男が女を始めて見たように
女が蛇を始めて見たように
たぶん
美しくて奇妙
エロチックで恐ろしい
 ....
僕の目の前で
若いアベックが
手をつないで
楽しそうに
家族湯に入っていった
僕好みの女だった
男は
立ちションでも
競争している
おばあちゃんと孫らしい女児が
バスに乗ってきた
僕の前に座るとすぐに話し始めた
「おばあちゃん、今夜のおかずはなあに?」
「かれいの煮付けよ」
「おばあちゃん、カレーの煮付けってなあに?」
 ....
昔昔のことです

「ソックタッチ」という商品名の速乾性液状糊のスティックがあった
糊といっても紙を貼りつけるものではない
靴下と足を貼りつけるものなのだ
ずり下がるという引力の法則に抗うこと ....
街につながるドアが
この家には有るのに
開けることをためらうのは
誰かが着せた僕の罪なのか?
正解は二つ
違うとNO
ギターを肩に下げる
ヘッドフォンにめいいっぱい音をぶち込む

 ....
田舎に帰ろう

空気と水のおいしい田舎に帰ろう

たくさんの星と虫にであえる田舎に帰ろう

空き家と空き田畑のいっぱいある田舎に帰ろう

ぜいたくしなければ暮らしていける田舎に帰ろう
 ....
猫でも
星の王子様でもないから
突然 行方不明になったり
ふらりと舞い戻ったり

渡り鳥に話をつけて
よその天体までひとっ飛び
旅してみたりもできないし

自ら死期を悟る事も
でき ....
にげろ
さめろ
夢の末路は今
のしかかって笑ってる

全速力で走ってる
動いてないと
死にそーさ

噛みつきの花
真っ赤で
くさくて
にやけてる
最後までついてくる花
 ....
いつものままでいたら
通り過ぎる場所を
あつめていた

かけがえのない世界の片隅
お前を探してるやつが居たよ
かけがえのない世界の片隅が
顎を上げてわらった

いつものままでいたら
 ....
数分で血が固まり数日で閉じてしまうぐらいの浅い傷を身体に並べて、君は梯子を架ける。だけど君は横になっているので、それは線路にしか見えない。それから俺は、機関車トーマスのおもちゃを用意していなかったこと .... 俯いたまま弾けるのが
ギターのいいところだ
黙ったままで
音が出る

靴の紐を
見ながら
音でいっぱいの
場所に立っていた

誰かがそこに
いるなんて
思わなくても
さみ ....
ゲロ吐いてるときは
ずっと
背中に火が着いてるんよなー

って訳わかんねえ

つかまり立ちなんて
すげー久しぶりよなー

って誰だてめー

指揮者が野良犬を乗りこなしてる
野性 ....
できるだけ早起きをする
眠たいかおを冷たい水で洗う
コーヒーを一杯飲む
恋人にメールをする
明日僕は僕らしくありませんように
明日僕は変われますように
明日僕は誰かになれますように
 ....
血が出るわョ
覚悟がございまして?
唇とクチビルを
グサリと繋ぐ
アタシの
スティール製のディープ・キス

ガッチャンコと
家内制手工業的に
繋がれる
アナタとアタシ

そうね ....
気づいた部分があれば

気づかない大部分がある

気づいた部分にとらわれすぎると

判断を誤る
僕たちは死刑囚みたいなものである
必ず死ぬと宣告されている
残された時間をどう生きるかは
自分自身で決めることである
1日1日が
毎日あっという間に過ぎ去ってゆく
残された時間をどう生きる ....
僕の従兄の長女は
東京でばりばり働いている
ある国立の研究所勤務で海外出張も多い
三十半ばを過ぎているが結婚する気はまったくない
「お母さん、わたし結婚しないと決めたから
面倒は弟のkにみて ....
愛するということは
合わせるということだ
赤ちゃんを愛する母親は
赤ちゃんに合わせる
子どもを愛する先生は
子どもに合わせる
犬を愛する飼い主は
愛犬に合わせる
老父を愛する嫁は
老 ....
おそらくそこは岩がちでやや閉鎖的な地形をしていて
そこに人物が配置されている
周囲には緑豊かな扇状の低地がひろがりその先には森が形成されていて、遠くに暗青色の山が連なり、冷たい尾根には白い ....
突然のザーザー
ウェザーリポートはまるで午後の嘘つきなわたし



すっかりじゃなくてすっきりハゲた祖父は
延命という言葉は適切な用語だろうかと
病床からあれこれ言ってきた

好 ....
花のブロウチを舐めてみた
ああこんな味か。とふに落ちて
疑問の芽がひとつ摘まれたので
多少こころよく布団へ帰る



体が眠ってしまわれたので
わたしは心と遊んでいる
鼻ですら ....
夜中になって冷蔵庫を漁りだすわたしの
浮腫んだ足の指と
古生代石炭紀からきたゴキブリが
であいがしらにごっつんした

このままひとおもいに踏み潰してやろうか
それともわたしの身体を ....
人数合わせで呼ばれたコンパだった
見計らうように薄着になる女の子たちの肌がまぶしかった
そのときだけのLINE交換
誰が注文したのか分からない烏賊のお刺身が手をつけられずに乾いていった

 ....
恥じらいをレモンに例えよう
その丸み、その香り
べろの根が押し上げられるような
ちょっとした痛み

足がわなわなとする
勢いにまかせ
こんなところまで走り着いた

さっきのあなたが西 ....
予約時間に早すぎて
十数年ぶりに弘南堂書店へ往く
見慣れたブックオフとは違う
天井近くまで積まれた学術的古書に
おまえの目は泳いでいる
楽しい散策 わたしには
安い棚から掘り出した一冊は
 ....
直方体オレンジさんのおすすめリスト(103)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
次の発車を待つ- 竜門勇気自由詩2*17-1-30
幼馴染- たもつ自由詩517-1-29
いのちさめる- ただのみ ...自由詩15+*17-1-28
スマホで子守り- ホカチャ ...自由詩117-1-28
お気に入りの一編- ただのみ ...自由詩13*17-1-25
幸福温泉- ホカチャ ...自由詩117-1-21
競争- ホカチャ ...自由詩117-1-21
今夜のおかず- ホカチャ ...自由詩217-1-19
わたしたちの靴下はいつだってずり下がってはいけなかった- そらの珊 ...自由詩19*17-1-19
続きは受け入れちゃいけない- 竜門勇気自由詩3*17-1-19
田舎に帰ろう- ホカチャ ...自由詩3*17-1-17
薔薇の傍に__(サン・テグジュペリ氏に敬意を表して)- Lucy自由詩17*17-1-11
航海- 竜門勇気自由詩3*17-1-3
思い出せない言葉を思い出せないままにしておく- 竜門勇気自由詩1*16-12-31
線路/梯子- rabbitfighte ...自由詩516-11-28
新他人の話- 竜門勇気自由詩2*16-11-15
再パニックさん- 竜門勇気自由詩2*16-11-13
明日、僕は僕みたいなやつじゃない- 竜門勇気自由詩3*16-11-11
キス、ホッチキス- まいこプ ...自由詩4*16-11-6
部分- ホカチャ ...自由詩416-9-27
死刑囚- ホカチャ ...自由詩316-9-25
結婚の理由- ホカチャ ...自由詩216-9-22
愛するということ- ホカチャ ...自由詩3*16-9-20
ランドスケープ- DFW 自由詩4*16-7-24
キャンサー、傘のひらかない街の蟹座- DFW 自由詩3*16-7-12
眠れない夜たちへ- 印あかり自由詩4*16-7-4
キャタライザー- DFW 自由詩3*16-7-1
サープラス- DFW 自由詩6*16-6-27
レモン- 印あかり自由詩316-5-28
北大病院にて- ただのみ ...自由詩17*16-3-16

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