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手を引かれ歩く。
懐かしい匂いのする君
その面影は記憶の水底
私が潜水夫になって強く握り返すと
つないだ手には水たまりができて
空の色を映す。
薄暗い緑の茂みの奥までくると
....
寄せる波に向かって
心の潮「A/アー/(ラ)」の音を放つ
わたしと海はパラレル
返す波からは原始の抑揚
「G/ゲ-/(ソ)」の音がかえってくる
海は ....
放たれた密使の矢
固執する月の心臓をえぐる
(月は考える 空に浮かぶものを)
中空のノエシス
無想のノエマ
天蚕糸をはう蛇が赤と交わり
花残月を思惟 ....