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僕はただ認めてほしかっただけ
僕はただ慰めてほしかっただけ
僕はただ支えてほしかっただけ
僕はただ受け入れてほしかっただけ
「僕は間違っていたのかな?」
尋ねてみるとピス ....
新しいバイトで小さな宗教団体のチラシを配る(時給900円);;アパートの端の部屋、ドアを叩く、横の窓から食器用洗剤と人影が見えている「すみません、少しお時間よろしいでしょうか」「ごめんなさい、どちらさ ....
かの女は脳天気
ときどき夜遅く、酔っ払って帰宅し
ねむけ眼の娘のまえで歌を歌い、そして
だれよりも早くねむる
ときどき大いびきをかきながら
かの女はおこりっぽい
かの女は平気で娘のまえ ....
枕返し
枕は魂を夢の入り江へ運ぶ舟
夢と現の狭間に横たわる
とろんとした浅瀬を行き来する
僕は腕利きの一等航海士
大抵の鼾や歯軋りには動じないけれど
獏の襲来にはかなり手を ....
遠くの空に
一つ ふんわりと雲が浮かんでいる
家の前で
ボールと遊ぶ少年が
一瞬、その雲に目を遣ったが
すぐに
足下に視線を戻した
もう
彼はあの雲に向かって
手を伸ばさない ....