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堅く編まれたお下げの編み目
その幾条の行方を見澄ます幼いぼくの肩越しに
さびしいぼくをくすりと笑う
ぼくと誰某と
そうか
こんなにもはやく陽は動いて
窓の下に深い沼をつくっていくんだ
....
せまい心の
それでも空いたわずかのすきまに
時計の音がいらだちを埋めていく
あわないパズルのピースのように
(ときおりあるのだ 幻のように
水面をすべるはずの風の束が
少し手前で
....
銀のアルマイトのおべんとに
ちょっと焦げたハチミツ入りの卵焼きと
ちょっと焦げたウインナと
焦げてないきゅうりのお漬物とバナナをつめて
ピクニック
ようちゃん
自慢できるものはある ....
七月の階段を登ってホームに出ると
七月の風にはじかれる木蓮の花
のぞき込む 流れない水
そして少女が手を振る
まるく
何ものをも拒まぬ速さで
おはよう
こないだ タケダからメール来て ....