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君がこの白地図を撫ぜたときに
世界が始まる気がしたんだ
ほんとさ。
悲しい幻に似た
鬱屈した午後の空気
燻ぶり始めた誰かの夢が
君の首筋を冷たく伝うときは
呼ぶといい
....
さわらないでと
胸に茨を抱きかかえたまま
叫んだね。
マゼンタの色の野ばら
きみと、ぼくの
灰に涸らされてゆく喉で
必死に歌っていた僕ら
君は僕に蕾ひとつない
花冠を作って ....
神よご慈悲を
呟いてただ目を伏せた
オルゴオルから舞い上がるような、
リズミカルな祈りの小枝
あなたが残していったもの
ほんの少しの後悔と
罪の紅玉
あなたが残してくれた ....