けだるい午後
弱い陽射しにぼやける景色
思考回路が目覚めない
おそらく
夢の続きを彷徨っている
次々と浮かんでは消える記憶の欠片
ぼやけた景色の中
....
話し相手もいない
岩だらけの黄色い砂漠
高名な歴史学者も
優秀な地球学者も
天才的な物理学者も
知り得ない恋の秘密を
地下水に抱かれた砂礫層の中に
とじこめて
花が空ばかり ....
とても淋しい人と会って
とても淋しい話をした
とても淋しい店でした食事は
そこそこに美味しかった
それからとても淋しい歌を歌って
とても淋しいさよならをした
目の高さで手を振ると
そ ....
あなたの声が聴きたくて
数字をゆっくりおしてゆく
呼び出し音
高鳴る鼓動
裏返る声
あなたの笑う、声。
ちょっと怒ったふりをして
あなたを困らせてみる
優しくからかうあなたの声 ....
あるいは
全て間違ったのかもしれない
我ながら異様な
しかめっつらで
何も出来ないのに
あふれ出す感覚
いくどもそこにかえる
ものおもい
やっと 「私 ....
きみに いいたい
すごく いいたい
すぐに いいたい
とても いいたい
きみに あいたい
はやく あいたい
ずっと はなして
ずっと みてたい
つかれ とんでく
すごく ....
誰もが当然のように受け入れてる日常
世界では自分が味わったこともない日常があるのに
自分にはその日常は訪れない
当たり前のことが当たり前のように過ぎて行く日常に君は受け入れられず
見つけた ....
葉緑の木々たちが
緑の葉をはぎ取られていく
人は行動を奪われ
ただ過ぎるのを待つ
鳥たちは翼をしまい
山の中に潜む
命無き物は
壊さされ飛ばされる
風は雨と共に楽しそう ....
涙が出そうになった瞬間
あなたの顔が浮かんで消えた
心は躍りだしそうなのに
どこか落ち着いていて
なぜか涙が溢れてきそうで
優しい笑顔も
穏やかな微笑みも
本物かどうかも分からないけど
....
だきしめている とけてしまいそうなもの
にぎりしめている そんざいを たしかめていられるもの
ほろほろと ゆるゆると ほどけては みつめあう
おだやかな キス
あしたは さむくても い ....
甘えたがりやの
夜空と
哀しがりやの
僕の間を
繋ぐように
踊る花火
笑いながら
歌いながら
きっと涙にも滲まない
その色たちが
特別なことなんて
何 ....
反発し合う気持ち 手に持った磁石みたいだね
分かり合えない心 両方が同じ気持ちすぎて 触れ合えない
感じあえない身体 鏡のように対称的なら溶け込めるのに
愛し合えた時 気持ちは二つに ....
いきているのが つらい
それがあたりまえの じだいになった
あたらしい じだい
あたらしいこころを みたい
きれいなせかいとは
どんなものか みたい
さしし ....
メアリーは言った
「いつまでも一緒よ」
でも彼女はとっくに
土の下
おお おお
彼女はとっくに
おさらばだ
キング氏も言った
「死ぬときは一緒」
でも彼は今年
83
おお お ....
空っぽになった
ジャムの瓶をさかさまに
逆立ちができない、と
言っていた友達を
さかさまに
意地悪なあなたの
『好きではない』を
『好き』に変えて
あなたの気持ちをも
さ ....
遠い空の下で 私とは関係のない場所で
突きつけられている 曇った
誰かのために 無関係に 私は
突きつけられている それを見て無関係に
卑劣な手段には屈しないと あるいは ....
ぼくたちなんて
ぼくたちの過ごした時間なんて
無限大の銀河系の 点にも満たないさ
きみが 僕じゃない恋をした
きみが 嘘を ついた
きみが 去っていった
頬にひとすじのそれ ....
「結婚しないの?山内さん」
とは セクハラなんやけども
小さい都市なのでまあ
お茶菓子とともに 語り合い
娘がおりますけど あんたら 話したらひきますやんかあ
アチラが立っても こちらは立た ....
ボクは笑っていたいです。
ボクは泣いていたいです。
ボクは苦しみたいです。
ボクは恋したいです。
ボクは楽しみたいです。
ボクの中の感情全てが愛しいと思いたい。
ボクの胸は清らかで ....
雨が降っていますね
ええ、降っていますね
さびしい
さむい
ぽたぽた
ときどきメロドラマに泣きます
さびしい
さむい
肌が、ぬくい
パジャマの破れ目にくち ....
あなたの背中に吹いた風が
ここまで届くようにと窓を開ける
どこからか
たどたどしいリコーダーの音が聞こえる
この星はとても小さい
空がこんなに澄んでいるから
泣き顔じゃ
いけないと思った
髪を綺麗に切って
君に逢えばいいと思った
風が遊んでいた
波の音はかき消され
鉄塔にからみつくような電線は
歌を歌っていた
一条の光が闇を貫き
遠く海を照らしている
灯台のもと 風が遊んでいた
空が目を ....
俺はあなたにとって
何だったのか
今更聴く気はない
俺はあなたと逢って
良かった
想い出はたいしてないけど
あなたの顔も声も
忘れはしないぜ
ほんの短い時間でも
お互い必要だ ....
並木道に
誰かの日傘が忘れられているのを見つけ
持ち主の名前がなかったので
失敬することにした
けれど自転車のかごに引っ掛けて
ペダルをこぎだしたそばから
日傘は陽を浴びて匂いたち
....
人はなぜ恋文を書いたか
体内の炎を紙につけて燃やすため
でもあるが案外
紙と鉛筆がそこにあったから
近頃では
恋人たちはテレホンカードを消費する
電話器は二十四時間鳴りっぱなしで
体 ....
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