友達はみんな


僕が傷付き倒れても


先へ行ってしまうだろうね


振り返ることなく


ただの一度も



僕の呼吸が止まる直前まで


奴らは笑っていたよ ....
すばしっこい背びれを追い回して
生ぬるい用水路を濁らせた
髪の毛の先から滴り落ちた汗
泥だらけの顔を笑い合った毬栗頭

ねばっこいフェーンの熱波を掻き回して
力任せに錆びたペダルを漕い ....
すき。ということばを頑なに使わなかった時がありました。

七月の夕暮れ。ひとしきり降った雨の上を歩いていました。

貴方を捨てるとか、愛を叫ぶことができないとか、そういった話ではないのでし ....
人間すなおじゃないとね


あのひとは言った

あなただって…


言い返そうとして

としはまだ蝉の鳴き声を聞いていないことに気付いた

あのガード下へ行けば
聞く
 ....
その飛翔を
だれかの鞄に詰め込んで
機械的な作業で
きみは缶になる
 
密封空間に
足首を垂らせば
秘密の合言葉が
世界中から聞こえてくる
 
 
透明な羽をなんども
一瞬をし ....
鎖骨の
においが
こぼれ落ちたら、

さかなのゆめに朝がくる



ことば未満の愛を交わして、
ゆっくりとたしかめる
てあしの記憶

水の
においの
シーツを背中に
 ....
ホリー、ホリー
見てごらん
空だ、空だよ、月夜だよ

ホリー、ホリー
おいでごらん
風が風だよ、木が泣くよ

ホリー、ホリー
手をつなごう
膝にお座り、空を見よう

ホリー、ホ ....
なぜ、と
疑問を投げかけていたらきりが無いのですが
それでも脳内に渦巻いているそれらを
抑えておくのもどうも滑稽のような気がして
連絡帳を出すときにそおっと、
母の書いた言葉の後に慣れないボ ....
砂を
体中の空いてる
穴に詰めていく
埋め立てた人工の砂浜の
ほつれたぬいぐるみが
さみしそうに息をしている
「あなたのコドモを産むよ」
と笑い
雨上がりの
草いきれで肺一杯にして
 ....
一時でも愛し合った日々をも
嘘だと言うのならば
私は何処へ還ればいいの
あの時の誓いも偽りだとしたら
何故に私を求めてみせたの

呪いを掛けたいの
この心を奪い傷付けた
あの人に
同 ....
宝箱の蓋はそっと開け放したまま。
そのままなくしても良かった。
あんまりにも鳥籠じみてて、哀れなものだから。

泣いちゃえばいいのに
君はつよがりで
歌を歌ってばかりだったね
言っちゃえ ....
音楽室の
Yちゃんの真新しい椅子の後ろに
Yちゃんの埃を被った椅子
その後ろに
Yちゃんの足が折れた椅子
その後ろに
ばらばらになった
Yちゃんの椅子
その向こうは
床が崩れて
そ ....
萎えて行く
心力の花か

ことばとことばに
引っ掛かりをつけ

むすび くねり はりめぐらす
透明のナイロン糸で
部屋じゅう
意味の重さ
心力の光輝

たましいの光る
小部屋 ....
改札口にて
お待ち申し上げております


行き先を
詮索したりはいたしません
どうぞ
ご安心を


あなたがここを
通過してゆく事実のみ
確かめさせて頂きたいのです ....
きょうも、あたしは消えました




開きかけノートをほっておいて

飲みかけのコーヒーをかたずけ忘れて

お風呂も洗うのを忘れて




「さよなら」



 ....
失っても気にはしなかった たとえ何かを失っていたとしても 気にすることなく 明け方まで友と飲み歩いた ゴールデン街のお店を這出ると 朝の日差しがやけに眩しくて「太陽がいっぱい」だなんて 的外れに大声で ....
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