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雲が明けたら逃げないと
雲が明けたら逃げないと
月が身包み溶かしてしまう
真実の鏡 湖面に揺れて
降るは清らに微笑みを
容赦はしない 月明かり
虎は吼えるほか術もなし
....
風に乗って麦わら帽子が裂いた
天藍とさくら
行ってしまったと少女は泣いた
雲がただよい
秋桜が揺れ
なぐさめるのを知らずに
本日は晴天です
雲ひとつない快晴です
快いほど憎らしい青空です
本日は晴天です
空は飛んでゆくところでしょうか
空は堕ちてゆくところでしょう
本日は晴天です
清々 ....
梅花ははらり、ゆらめいて
乙女の黒髪染めていく
鶯は唄を奏で
陽光は大地を抱き
春は僕から奪ってゆく
心ふるわす冬の冷たさと
微笑んだ彼女を――
色づいた風が
ひゅるり ひゅるり
わたしのまわりを遊んで去った
淋しさだけを残して……