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少年時代 
今とは違う奇妙な生き物だった


そのころ家の近くには古い寺があり
髪の毛が伸びると噂される少女の人形が納められていた
人形を実際に見たことはなかったが
子どもたちが人形の存 ....
それは時を越え届く手紙
――封筒は茶色く変色して
だが土色の背中に亀裂が入るように
そうして新たな啓示を告げ知らせる妖精が
花弁のような華奢な翅にその霊妙を巡らせて
そよ風とワルツを踊りなが ....
誰かが外から力をねじ込んだ
固く ギリ ギリ と
{ルビ蜷局=とぐろ}を巻いて震える はらわた
突き上げるような衝動!
目を見開き
歯をむき出して
喧しくシンバルを鳴らし 
── 鳴らし ....
目と口は似た者同士
じっとして居られないいけない子たち
耳と鼻は抗うことのない姉妹
{ルビ盲=めしい}で{ルビ唖=おし}の穴凹ふたつ
手探りすれば硝子より
始末に悪い情緒の破片
記憶に纏ろ ....
わだかマリは美辞麗句に対する発酵した恋情を
月明りに晒された真っ赤な隠語に注射しながら
言葉が死滅した宇宙を金縛りのまま浮遊する

陽気な殺意のクラリネットが舌先を蛇のように操ると
殻も割ら ....
ぼくらは言葉を繋げて
この暗い宇宙を何処まで渡って往けるだろう
一冊の詩集が時を越えることは
真空パックの棺が難破船のように
意識の浅瀬に漂着し鮮やかに燃え上ることだ
死んだ詩人についての{ ....
ぼんやり開いた窓から
生活の群体が 声とも
匂いともつかない無数の触手を忍び込ませ
夕べを小さく折りたたんで往く
界隈のステテコ爺のように
この胸を徘徊する諦めの ブラシのような足音
持ち ....
破水した光の{ルビ枝垂=しなだ}れ
終わらない夏の囚われ
わたしは煮え立つ釜のよう
せめぎ合いの果てに溢れ出す

      
しろくのけぞる
      朝顔のうなじ 
       ....
きれいな心は何処ですか
魚も河童も住みませんか
七色の嘘が必要ですか
薄めた毒で酔いますか

澄んだ瞳は悲しいですか
焼かれる人と笑う人
澄んだ空ほど悲しいですね
永久と泡沫が近すぎて ....
愛やら哀や食傷小町
茄子を揉み揉む{ルビ外法=げほう}のスアシ
アブラ{ルビ帷子=かたびら}文系ソバカス
{ルビ瞬=しばた}くひゃっこの黒蜜{ルビ空=から}して

{ルビ琴=きん}やら{ルビ ....
お岩さんを知っているでしょう
そう四谷怪談のひろいん
江戸時代
牡丹燈籠のお露さんと
番町皿屋敷のお菊さんと
三人で結成した
納涼しすたーず
せんたーでうらめしやをしていた
あのお岩さ ....
ゆっくり飛ぶことを覚えると
世界中が振動していた
いのちは飛沫を上げて
たゆたいゆらいでいた
風が凪げばふわり
お天道様と池の間に佇んで
煌めきって残酷だ
元気なものへは恩恵
弱ったも ....
嵐のように怒り
自分のために大雨を降らす
周りの者は巻き添えになる
はた迷惑な幸せ者


誰にも悟られたくはない
暗い海の底へ
暴れる心を鉛に詰めて
幾つも 幾つも


寛容と ....
あめとうとう
硝子を濡らし
景色を隠し

ゆめうとうと
意識を揺らし
兆しを示す

ことばばかりがほとばしり
あぶらえのようにおぼれるみどり
ただあって 泣く まじりあって

 ....
犬を連れた二人の男が行き会った
血統書付きの犬を連れた方が自慢を始め もう一方に
「雑種なんか飼うのは時間の無駄だよ」
ああ 好きか嫌いか別として
そんな考え方があってもいいのだろう
もっと ....
砕かれたもの
    傷つけるもの

時代の浪間に
    弄ばれて

俄に湧き上る想い
    だが全ては白い泡のよう

摩耗して往く
    意思 手足

蒼淡く ひと欠片 ....
瞳の奥底に隠れてこっちを覗いている
裸の抒情の手足を縛り上げ
哭きながら何度でも犯し続けよう
石切り場から運んできた
重い想いを凪いだ風に浮かし
寛容な字面をことごとく摩耗させて
のっぺら ....
ああ神よ どうか
四十五パーセントくらいの誤解をお与えください
少なくても三十五 三十は行き過ぎです
勝手な想像と思い込みで
悩んだり喜んだり
怒ったり主張したり
素敵な誤解を捧げあって
 ....
突然窓から入って来たかと思うと
開きっぱなしの聖書を勝手にパラパラめくり
挨拶もなしに出て行った
――相変わらずだな
きっと満開のニセアカシアの間を抜けて来たのだろう
すると今頃は下の公園辺 ....
仕上がった作品を手にとり
出来栄えを確認する
(……駄作だ)
地面に叩きつける
が 割れない
金槌で叩いてみる
が やはり割れない
もしやと思い豆腐の角にぶつけてみる
が そういう問題 ....
すべる 若葉の上を
果てしのない空の歴程を越え
円い揺りかごに大地を包む

はねる ピアノのように
ひび割れた思想の冷たい黙示の上を
目覚めの兆しを死者の鼻先で踊る

はじける 終わり ....
親愛なるショウコ様

わたしは有りもしない食事を温めます
冷静な面持ちで 本質は野蛮
回りくどくて執拗 ときには結果オーライの力技
事の恥部を明らかにしたならば
したり顔で仮想の敵をフォー ....
架空の手紙を書きました
咲いて間もなく突風に打たれ
瑞々しく散った桜のように
泣くでもなく微笑むでもなく
同じ景色の縛りの中で
そこはかとない諦念の香りに包まれて往く
ひとつのイメージへ
 ....
今夜ぬかるみそうですね
まだちょっと震えていて
瞳は亀裂して手招くのです
梢に掛ったビニール袋の
違和としての惨めさの中へ
眠りは逃げた僕から逆行した

福寿草のように笑う
気の早い毒 ....
破裂した精神から
無数に咲き乱れる
色とりどりの気球
大気圏を目指すアストロノーツ

「僕らはこの星の火傷そのもの
 剥離する瘡蓋だ―― 」

 ――なのに捨てきれない!

抱き寄 ....
ここにはない
何も踊らない
ただ搾り出された絵具のように
眠たげな静物だけ

わたしの中か
わたしの外か

楽しげな人の姿が
ゆっくりと薄れ消えて行く
古いスナップ写真が
毎 ....
呆けた{ルビ斑=まだら}の歌声に
後ろから捕えられ
目隠し外せば 春は
    娘姿の老婆
千代紙から蝶
切り抜いては 
    ふうっと 吹いて

この肥大した冬には 
心の資産全 ....
持ち上げては
こき下ろす
嘘をつかない人間はいないのだが

良い目を見たから許せないのか
騙されたから許せないのか
自分の嘘はばれたくないものだが

真実を追求する
マスメディアもか ....
駆け抜ける想念とは裏腹に
書き抜けぬ言の葉裏の蝸牛
雪の積もったノートには
あと数羽カラスの行方が不明です

時の刃の上をゆっくりと滑る私たち
やがて「私」「あなた」という二つの断面へ
 ....
昨日までの自分が仰向けに倒れている
わたしを見つめて
ワタシが言う

「踏み拉き進んで行け
 過ぎ去ったものは階段だ
 額ずくな 口づけするな……」

そっと足をおろす 
枯葉を踏む ....
nonyaさんのただのみきやさんおすすめリスト(229)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
精通- ただのみ ...自由詩18*14-10-21
敬愛- ただのみ ...自由詩15*14-10-11
誰ももうネジを巻くな- ただのみ ...自由詩22*14-10-8
火柱- ただのみ ...自由詩14*14-9-24
わだかマリのために- ただのみ ...自由詩21*14-9-20
残らない詩のために- ただのみ ...自由詩31+*14-9-13
ジカイダー- ただのみ ...自由詩21*14-8-31
沸騰点- ただのみ ...自由詩24*14-8-27
何処- ただのみ ...自由詩21*14-8-20
食傷小町- ただのみ ...自由詩19*14-8-17
右と左- ただのみ ...自由詩22*14-8-15
ラストフライト- ただのみ ...自由詩20*14-8-13
徳と毒- ただのみ ...自由詩19*14-8-10
おとあめ- ただのみ ...自由詩28*14-8-7
詩と詩人と似非批評- ただのみ ...自由詩22*14-8-3
海硝子- ただのみ ...自由詩19*14-8-2
わたしは喜んで嘘を書こう- ただのみ ...自由詩27*14-7-27
イノルフリ- ただのみ ...自由詩25*14-6-18
旧友- ただのみ ...自由詩30*14-6-8
ウイルス効果- ただのみ ...自由詩23*14-5-31
_雨- ただのみ ...自由詩22*14-5-17
手紙:RONYORISYOUKO- ただのみ ...自由詩15*14-5-12
五月のレター- ただのみ ...自由詩16*14-5-5
コウフクノモノサシ- ただのみ ...自由詩18*14-4-16
地球詩人- ただのみ ...自由詩25*14-4-4
死を装う春の詩- ただのみ ...自由詩18*14-3-26
春を装う死の詩- ただのみ ...自由詩20*14-3-21
嘘つき- ただのみ ...自由詩25*14-3-16
失念れすとらん- ただのみ ...自由詩17*14-3-14
踏絵- ただのみ ...自由詩20*14-3-9

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