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よる、靴をなくした少女が泣いていた
やわらかな足を痛めた
灰色のコンクリートが
きらきらと少女の足を彩る
いちばんぼしは
ためらわず光っていた
街灯は少女の足もとを
ずっと照らし ....
ゆるやかなカーヴ描いて
夕暮れは無言のまま
裸足の気持ち連れて
だれにも知られず
森に帰ってゆく
透明な跫音響かせ
かさかさと風を編んでいる
青の終わりが
テーブルのうえに
....
かなしいことを口にしたら雲が風任せにすばやく流れていた
ミネストローネのスープ色をして
逆上がりの途中でぐるんとかき混ぜてみた
急いで脱ぎ捨てた夏の終わりは
ドットが三つ歯切れの悪い調 ....
男のあらゆるポケットに
忘れ物を入れておきました
夏の
塩辛い
木漏れ日の
青と
星臭い
銀粉と
羽根の生えた
さくらんぼの風景を
ひとつずつ
乾かないように
驚い ....