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朝
凍ったような青空の中を一艘の船が
西から東へ進んでゆくのを見た
おそらく西に沈んだ月を
東の定位置へ戻す船なのだろう
さざなみが白く航跡を描いて
航跡はそのまま雲になり
ま ....
缶切りで鯖味噌缶を開封し背中まるめてわぶわぶ食べる
薄荷飴ひとりで舐めてさびしがる君のことなど想ってみつつ
朝刊の明朝体が目に刺さる夜明けどこかで鳥が鳴いてる
晴れた日の午睡が好 ....
わたしが無職だったころ
茹で卵と塩むすびだけはんかちに包んで
毎日河原へ出かけていた
それしかやることがなかったのだ
アンケート用紙とかに
無職
と書くのが厭だったので
仕事を探してはい ....
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夜の間
やわらかく曲がりくねって
遠いお伽の国へと繋がっていたレールは
朝の光を浴びた時にはもう
冷たく固まって
駅と駅とを繋ぐ
当り前の鉄の路へと戻っている
包装紙から出したての ....
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夕飯のあと
残した刺身を生姜醤油に漬けて冷蔵庫へしまう
こうしておいて翌日に
焼いて食べると美味しいというのは
母に教わったことだ
そういえば結婚して引っ越す当日に
母がお餞別と言っ ....
早朝に剃刀を買うコンビニで 剃髪用です 袋いいです
昼下がり主婦がミシンを踏む音は 人を撃ち抜く練習に似て
夕暮れが鼻血のような色してた 鉄のにおいが漂って、冬
....
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一か月が
余りに速く過ぎ去るような気がして
どうしようもない
服を着替える間もなく
あっという間に秋である
外ではまるで軍隊のように
流行なのか
同じ型の服を身につけた女子が
勇 ....
スガイは或る貧しい村の生まれである
彼は五人兄弟の長男で
下は四人とも妹であった
スガイは十歳のときに夢を見た
光り輝く犬が お前は医者になれ と言う夢であった
スガイには両親が居な ....
わたしの生まれ育った村には
鮮やかな花が咲いていて
広大な田地が広がっている
野良犬がそこらじゅうにべとっと寝ていて
曖昧な微笑みを浮かべる村人と
いないはずの人たちが生きていた
たと ....
*
最近
妻が出来た
嫁を娶ったのではない
わたしは女であるから
正確にいえば
嫁の方から勝手に来たんである
或る夜のことだった
四百円を手にちゃらちゃらさせながら
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アオイリョーキさんの吉田ぐんじょうさんおすすめリスト
(10)
タイトル
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カテゴリ
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日付
褪せてゆく秋の或る一日
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吉田ぐん ...
自由詩
22
10-11-15
六月のBGMはレット・イット・ビー
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吉田ぐん ...
短歌
15
10-6-4
わたしが無職だったころ
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吉田ぐん ...
自由詩
49*
09-8-4
ドア、閉まります
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吉田ぐん ...
自由詩
11
09-7-28
ファミリア
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吉田ぐん ...
自由詩
24
09-7-28
【短歌祭参加作品】アラウンド・ザ・ワールド
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吉田ぐん ...
短歌
36
08-12-5
せかいをいきる
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吉田ぐん ...
自由詩
55
08-9-29
スガイのこと
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吉田ぐん ...
自由詩
20
08-8-19
(また)見えない人の話
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吉田ぐん ...
自由詩
17
08-7-28
妻の話
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吉田ぐん ...
自由詩
27
06-10-6
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