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抱えきれないほどに大きくなりたかった
青々としたたくさんの細長い波が視界を埋め尽くし
何処まで続いてるのかなんて見当も付かない
涼しい風が吹く頃には黄色く重い稲穂が頭を垂れ
やがて精米 ....
庭先に止まったアゲハチョウの羽には
感情の全てが閉じ込められている
そのざらざらとした声色が気持ちよくて
いつまでも肌をなぞっていてほしかった
淡い空にうろこ雲がほわりと浮かび
右目の向 ....
まだ色を持たない紫陽花は
ふつふつと泡みたいな蕾をつけて
くすんだ背景に溶け込む
重たく湿った空気の匂いがし
右足の古傷がしくしくと痛む
身体は正確に天気を教えてくれる
....
すうっと堕ちていくような感覚と
鈍いしびれがあるという
それでいて苦痛ではないらしい
幼なじみのあの子も
隣の席の委員長も
さらにはわたしのママまで
患ったことがあるらしい
大人 ....
そしてボクはさかなになった
流線型にふちどられ
いつまで続くかわからないうねりを眺め
光の乱反射を遠くに感じながら
このまま泳げたらいいなって
明日も明後日も
ずうっとずう ....