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鳴き方を忘れた
紙の羊の代わりに
今日は僕が
鳴いているらしい
窓の外には
長方形のホテル
清掃局の車が
積乱雲を
斜めに横切っていく
テーブルの向こうには
崖しかないので
わたしは落とさないように
食事をとった
下に海があるということは
波の音でわかるけれど
海鳥の鳴き声ひとつしない
暗く寂しい海だった
....
朽ち果てた石
その微かな記憶
落葉樹は閉ざされたが
薄く匂っている
末端という末端に
隙間という隙間に
うずら料理の美味しい店で
わたしは女に求婚した
手の甲の静脈は変わること ....