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 飛び込んでいいかい?圧死する芥虫は誰かの靴底で汚れない月を羨む。待ち焦がれるのには飽きたのだ、もう惑う時間すら残されていないなら高く飛ぶ方法を考えろ。砕けた硝子の消えてしまいそうな傷跡が残 ....
 

 青い日はいずれ熟していくのだとしたら、次の季節の僕は誰の腕から逃れているのだ。さようならも言えずに去る君の曲がり角は何度だって曲がろうぞ、それで君が帰ってくるのであれば。春を待つ正しい月の ....
 

 迎えたくない明日を拒む方法を知る由もなく、抗うように眠らない日々を愛することなど出来んのだ。昂ぶり尖った神経が針みたいになったら、悴んだ掌の毛細血管を紡いで瞼を縫い付ける。冬はいつだって僕 ....
 

 空の青で僕の皮膚が少し色付けばいい、雲を絡めたこの腕を間の抜けたサイレンで切り落として標本にしよう。人身事故で停まる腥い湿度の車内で君に手紙を認めた、大丈夫。何を書いても君は!破り捨てるん ....
 

 世界で一番劇的な夜、春嵐の放物線で恋が終わる。誰にも届かないシトラスグリーンの鮮血に、小麦の焦げる匂い、聞きたくない雑音を消す爆音をなくしたまま、漂流しようにも浮かべず、ただ、だらだら弱音 ....
 

 一線を引き続ける僕らの鉛筆が迚も長いことを全部夕景のせいにして、要らない考えを消去しなければ。こんな小さな東京でどうして君には遭えないんだろう?僕は馬鹿に冷静で、狂うことすら覚束ず、右手の ....
 

 いつだってどこからか血は滲み続けていた、永遠は常に鬱屈する幻想である。時限爆弾を抱えたまま、足りない風速に呼び寄せた白波が消波堤に砕けて、無意味な傷に{ルビ汐=うしお}は届かないと知って。 ....
 

 地球の真理はマグマの中で理路整然、日射しに溶ける影に滲む。僕らの夜明け前にも似た青さは尖っていた、港行きの切符で涙を拭う男は海に砕け散る。赤線地帯で女衒は笑ってさようなら、明日はきっと来な ....
 

 君の爪を追い駈ける僕の瞳が乾いている。選んだカードで犬が吠え、西の空に嬰児を孕む満ち過ぎた月がじっとりと沈む。辰巳の空中から見た東京の亡霊がゆっくりと赤色の息を吸い、そして吐く。月桂樹の輪 ....
 

 そうか、知らない町へ行くのか、もう少し僕に喋らせてよ。もうすぐ来る季節にどんな気分で臨もうか。競合する原風景の眺望、{ルビ世界=WORLD}の真っ只中で見透かされそうな暴走、ささやかな歌や ....
 

 二十九日の月の入りは針より細い影を爆ぜ、じっとりと赤く、まるでひとつの粘膜のように侘んでいた。地球照が薄仄かに冷めていく、そのひとつに漸く君をしる。海に還ろう、君の手を取って、僕はあの潮流 ....
 真っ黒な世界がもうすぐ終わるとか考えていた数年前の祈る手の影、新しい洗脳、未来のシンパシー、軽い衝動で。風の強い国で君を見失い、あれだこれだと結論ばかりで手を汚さずに土を掘るやり方で満足していた。僕 ....
aidanicoさんの雨を乞うさんおすすめリスト(12)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
轢死は性干渉に似た味を帯びて- 雨を乞う自由詩2*09-1-18
ライオンの死ぬ園- 雨を乞う自由詩1*09-1-12
十一月のシトラス- 雨を乞う自由詩2*08-11-14
ザ・ブランニュー・死刑- 雨を乞う自由詩5*08-7-20
ストレンジ・フィールドにさよならを- 雨を乞う自由詩2*08-4-24
ポワソン・ダブリル殺人事件- 雨を乞う自由詩4*08-4-2
クロールとダイナマイト- 雨を乞う自由詩1*08-3-29
ユーサネイジア- 雨を乞う自由詩3*08-3-13
臨月- 雨を乞う自由詩3*08-3-1
首吊りロープ- 雨を乞う自由詩3*08-2-25
海に殺人- 雨を乞う自由詩3*08-2-23
ランプとジャンクション- 雨を乞う自由詩5*08-2-22

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