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くたびれた足を引きずって
いつもの夜道を帰ってきたら
祖母の部屋の窓はまっ暗で
もう明かりの灯らぬことに
今更ながら気がついた
玄関のドアを開いて
階段を上がり入った部屋の ....
最近何故か
夜の道で
片目のライトで走る車を
よく見かける
日頃の僕が片目でしか見えてないのか
最近出逢ったひとは片目の女なのか
どちらの暗示にせよ
人は誰もが両手 ....
うむまあの木といふ
器量の悪い詩人みたいな木がある
穴の開いた幹は
{ルビ欠伸=あくび}をしている顔のようで
暗闇の深遠に
なにかを隠し持っている
うむまあといふ
....
手にした「水版画」という本を開き
(うた)という詩の行間で
夕暮れのすすき野原に立つ彼
今は亡き女の風の面影に
いつまでも手をふり
すすき等もまた
金色の海の波間に
....
天丼のどんぶりを空にした後
海老の尻尾をふたつ
ちり紙の上に並べたらじゃれあい
嬉しそうに光った
昨日の夕餉は
友人夫婦と食卓を囲み
玄米とおでんを食べました
今日の夕餉は
繁華街の店で独り
天丼を食べました
誰かと食べても
独りで食べても
幸福なのかもしれ ....
自らの寂しいベールを身に纏う
今迄の自分を打ち破ろうと
夏の夜の浜辺を走る
( 遠くに若者達の花火は上がり・・・
ずぼりずぼり
足首{ルビ嵌=はま}る砂浜の
空回りをも ....
耶蘇を着ようと
こころに決めた日
怖ろしいほどに
人をいとおしむ気持が
胸の奥に{ルビ疼=うず}いた
空の色は
只青いので
なく
{ルビ罅=ひび}割れた空から ....
雨のそぼふる
路面に一人
いつまでも濡れている
あの丸い小石に
僕はなれるか
昨日は雨のそぼ降る神保町の
古書店の並ぶ街並みを
地図を片手にさまよい歩いた
みるみるうちに地図は濡れ
丸めた白い魂にして
ポケットに入れた
翌日ポケットから取り出し ....
幻のビル群が立ち並ぶ
都会の空の彼方から
沈む夕陽の声がする
( わたしはこの国を、
お前に与えよう・・・ )
群衆に紛れた彼は
空虚に覆われた日々から
脱出する ....
昨夜は母ちゃんが
皿洗いを終えた後
ストレスから来る腹痛で
じっと座り込んでいた
今夜は親父が
夜勤警備で老体に鞭打ち
今頃懐中電灯を手に
役所の廊下を照らしてる
....
0時過ぎの残業を終えた
更衣室のロッカーに
凭れて座る栄養士
青白い顔と体をつらぬいて
うっすらと立つ
ひとすじの葱
わたしの心と体というふたつは
風の息吹に包まれながら
透けた紐に結ばれたひとつです
体が体のみならば
わたしは只の人形です
心が心のみならば
わたしは只の霊魂です
....
糖尿持ちの母ちゃんが
昔より疲れやすくなり
今迄ほったらかしていた
使った皿や洗濯物を
最近僕が洗いはじめた
ベランダに出て
竿に作業着を干す
日々の疲れに
湿った心 ....
% の記号を書いて
○ で囲ったら
少し首を傾げた
{ルビ埴輪=はにわ}の顔になった
aidanicoさんの服部 剛さんおすすめリスト
(16)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
遺影のまなざし_ー四十九日前夜ー_
-
服部 剛
自由詩
20
09-3-10
(無題)_
-
服部 剛
自由詩
3
08-12-4
うむまあの木_
-
服部 剛
自由詩
3
08-12-2
余白ノ顔_
-
服部 剛
自由詩
2
08-12-2
ふたり
-
服部 剛
自由詩
5
08-12-1
昨日の夕餉_
-
服部 剛
自由詩
4+
08-12-1
夏の夜の浜辺を走る_
-
服部 剛
自由詩
5
08-8-1
空の心_
-
服部 剛
自由詩
4*
08-6-19
石_
-
服部 剛
自由詩
4*
08-6-4
すがたに_
-
服部 剛
自由詩
5*
08-5-28
地上の楽園_
-
服部 剛
自由詩
2
08-5-4
丘の上へ_
-
服部 剛
自由詩
4*
08-4-25
葱の霊_
-
服部 剛
自由詩
5*
08-4-24
宇宙ノ木_
-
服部 剛
自由詩
10*
08-4-18
いのちの洗濯_
-
服部 剛
自由詩
3*
08-4-6
埴輪の顔_
-
服部 剛
自由詩
3*
08-4-4
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