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誰も死んだりしないように
狭い部屋のベッドの上でうずくまって願う
煙草の煙が太陽の光をまっすぐな筋に変えて
僕の心に突き刺さっている
誰も死んだりしないように
うずくまって願う
自分を ....
生理を迎えたときのように
始まりを得たのに何かを失った気がするのは
まぼろしだったらよかったのに
{引用=
紺色のプリーツスカートを下ろす
布と肌が擦れる音がする
それでも無音 ....
「卵」という文字が
何故か哀しく歪んだ
誰かの顔に見える
「卵」という文字が
何故か背中合わせに俯く
ふたりの人に見える
「卵」という文字が
何故かずっと倒れずに ....
・
わたしの好きなひとの眼の中には
いつでも空がひろがっている
外が雨でも嵐でも
すこんと晴れた青空の眼だ
することが何もない
曇った日曜日なんかには
一日中好きな人の眼を見ている
そ ....
えぐられたスーパーカーが深夜環状線をぶっ放す。
スーパーカーの上にしがみついている女はしきりに「怖い怖い」とニヤニヤしている。
僕はそれを自らの脚のみで追いかける。
僕ら真夜中を風となる。
....
{画像=080416213414.jpg}
老いたる
傴僂の子は
よく話すことができない。
ぎらぎらと目を剥いて、
ふいに瘤をみせて、
去って行く。
言葉を彼は瘤に溜めている。
....
人体模型は海を見ていた
筋肉の組織も内臓も剥き出しなのに
それは自分の何をも語りはしない
こうしていると
かつては本当の人間だったのかもしれない、と思う
電池の切れた玩具を
大事そうに ....
・三日前の話
私が
指先のみの力で
空を切ったとき
その軌跡は
柔らかなひかりになって
木漏れ日の影の部分を
踏んで行きました
....
見えている終着地点を目指してみて
ときおり、きこえた、きみの、こえ
『まださみしいんだよ』
全ては逃げるためなのだと
分かり切った言い訳をさけている胸に押しこんで
カメラのレンズにう ....
速度が燃えている
千切られた紙が空中に乗り
方位を失っているのだ
気紛れで開けた窓から、風
陽光だけが揺られず、ベランダに線を引っ掻く
じわりじわりと来た
それが春だった
爪先ひとつ ....
世の中に
たくさんのスナックがあるのには
理由があるんです
おんなじ店で
なんども哀しみ見せられないでしょう
今夜も女は男に狙われ
身体を手で○○てゆくようです
....
1.
上履きの色は赤か青で
たまにみる緑が
私はうらやましかった
ぺたぺたと
音もなかった
たくさんの足
あの
はためく日の丸をもう
みることがないから
ここがどこかわから ....
美少女アニメ見ててうわーかわいーなーって思ってたら
画面の端に僕が写ってたから 腰が抜けた
2次元アニメの隅の方に 実写で写りこんでいる3次元の現実
可愛い女の子たちの輪の中に 混ざれないが ....
しあわせな言葉ったらし共が
今日も社会と隔離された理想郷で
中身の無い幸福を謳っているとき
俺はと言うと九州の西端で
印刷するたびに一行ずつずれていく
請求書のデザインを直していた
....
井戸水を拾って
足音をしのばせて
どうか誰にも
誰にも気づかれませんように 想いを、想いを、想いを
つるべを握って しのばせて
雨よ、雨 降るのは花 ....
いくつもの読点で、あなたを区切って
体内へと運ぶ
元のカタチを、思いだすこともできないくらいに
細切れに、咀嚼していく
小指の爪から、過日の砂が落ちて
潮の匂いがした
....
青い空に瑠璃ガラスを並べた春先
痙攣する舌先に触れたあなたのアネモネは赤い
涙よ
茫洋とした白い耳
風の上に流れる青いガラス細工の破片
太陽の下の蝋燭
蟻の死骸
....
飛ぶ鳥はとても軽いのだということを
わたしはときどき忘れる
飛ぶために鳥が捨て去ったものの重さを
わたしはときどき忘れる
鳥の骨は細く軽く
すきまだらけで脆いということを
150kg超 ....
4000000回くらいキスしたいけど彼女いないから
とりあえず自分の腕に40000000回キスしてみたら
腕が強烈に唾臭くなったうえにひどく空しい気持ち
しかも翌日腕が3倍くらいに腫れ上がって
....
ありったけの意地を張った後
ずっどんと穴が開いた
何を埋めよう
何で埋めよう
ひとりの時間で埋めよう
唇を噛んで埋めよう
いつか優しい時間がくるまで
私が「死にたい」というと
貴方は「みんな弱さを抱えて生きているんだよ」と言う
その意味が分からなくて
私はカロリーメイトを口に詰め込む
口の中で砂になっていくそれを
或いは砂にな ....
知らない町をゆく
晴天が聳え
すかんと何もかにも失せている
なるべくうまく置きざりにされて老いぼれたい
乾きたい乾きたい ああ
かあ わ きたい の
曲がりくねった坂道むちゃくちゃに ....
{引用=夢を見た。}
夢の国に行ったら神様はいなかったけど
ミッキーマウスがいた。
「みんなの人気者」なんて嫌いだったから
ディズニーランドで会っても
手なんか振ってやらないと思ってたけ ....
100円の森であなたを捜す
あなたは私の5cm上で
森と遊ぶ
母さん
私は5歳です
あなたを見つけられなくて
今にも泣き出しそうなんです
今は大人の身体に居るから
平気なふりで立っ ....
1.
鏡の中の僕が
いつまでも笑わないので
仕方なく
こっちが笑ってみたら
とたんに笑いやがった
2.
山の向こうは
雪が降っているらしい
今汽車に乗れば ....
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