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偽善者
と名指ししてくれたら
うっすいDS
買ってやろ

死後の名誉など
武士じゃないしどうでも
いいから
でっかいテレビ
買ってきたい


確かに彼は笑っていました
穴だら ....
ときに

死にたいとすら思えないくらいつらいことのあとには

生きててよかったとすら考えない充実感があるもので

ただそれを味わうためには少しばかりの勇気が必要だ

でもそうなれたら
 ....
この間
おかあさんは
50歳になりました。

50歳と言うと
おばあさんです。
電車で席とか譲られます。

私も20歳になりました。
20歳と言うと
大人です。
一人でバスにも乗 ....
喫茶店の席を立ち 
ふと足元を見下ろす 

椅子と椅子の隙間の床に 
鈍くひかる百円玉が 
恨めしそうにぼくを見ていた 

世界はいつも 
ぼくになにかを 
云っている 


 ....
死んだ奴らばかりが
生きてる奴らに
「早くこっちに来いよ」
っていうのは不公平だから

僕は
高校の制服を着ることなく死んでしまったあいつに
毎日毎日、狂ったように
「早くこっちに来い ....
季節の変わり目に
心だけ置いてきぼりにされた
そんな私のおなかは
春の夜風にさらされて
きりきりと痛む
手を当てると 
こんなにも冷たい

夢の柱がぐらついて
今現実に引き戻された
 ....
闇に紛れてゆらり現れ。
夜だけ這い出る砂浜に見えぬ風紋。
太い蛇身にアンバランスな白い細首、
音も立てずに進む。

誰が姿を見たというか。
その身を見れば命はないというに。
赤いであろう ....
虹には色がないことを
魚は知っていた
魚眼に映る半円の
越えてはならない橋を越え
爆撃機がやって来た
虹には色がないことを
知ることもなく人は
魚と一緒に死んでいった
人の形だけが ....
貴方が淹れる紅茶は
いつもいつも
舌が痺れるほど甘くて
ダイエット中の私には
大敵だった

それでもあなたが
にこにこ無邪気に微笑んで

美味しい?もっと飲んでね

なんて ....
小さな神様が
春の雨に打たれていたので
傘をさしてあげた
神様はありがとうを言って
釣竿を垂れると
雨粒の中から
虹色の魚を釣ってくれた
魚は苦しそうに跳ねていたけれど
自分は誰も苦し ....
点描を打ちながら
窓に・風
空に・花
見れば・雲
きん・こん・チャイム

音楽室
古いピアノふるえる
新入生たちの指
柔らか過ぎて

美術室
ももいろの花瓶が立ち上がって
春 ....
草むらに寝ころがった

ふたりで

もう
なんにも考えずに

この
ゆるい風に吹かれて

しばらく
うたた寝しようよ

春の気配を感じながら
ふゆがきた


からだがさむいとき

でんきすとーぶが
あたためてくれる


こころがさむいとき

あたためてくれる
すとーぶ
うってませんか

そうですか
うってない ....
打ち出でてみればそこは青く

ウミネコが謳い白く泡だつにぎやかなオモテだ

楽園だなあと思うオレ

「ようっ」と挨拶交わしてくれるじゃないか

嬉しいじゃないか楽しいじゃないか

 ....
小さな
黒い雲が
広がる空を犯していく
それが
憎しみだったり
うらやみだったり

街は
とりどりの高さと
色だ
俯瞰するとそこは結局
人という生き物が
ひしめいている蟻塚で
 ....
タバコから出るひと筋のけむり
換気扇に引き寄せられ ゆらゆらと昇っていく

タバコから出るひと筋のけむり
線香の煙りのように ゆらゆらと昇っていく

タバコから出るひと筋のけむり
疲れた ....
どうしよう、スタートまであと何分も無いよ
周りを見渡せば皆速そうな人ばかりだし
私がここにいるのって何だか場違いに思えてきた

友だちに誘われはじめてはみたけれど
誘った張本人はとっくの昔に ....
今日
他界した父の
初めての
誕生日がやってきた

昭和
何年だったか
いつまでたっても
覚えないまま

もう
数えることはない
死者の生まれ日

ある年は土曜日で
ある ....
りんごを食べたら
なつかしい故郷の味がした

と言ってはみたものの
この街で生まれ
この街で育ったから
故郷らしい故郷なんてどこにも無いんだけど

でも、不思議なんだよね
ひとくちか ....
早帆さんの自由詩おすすめリスト(19)
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