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祖父が死んだ
ほんでもえらいわ
そう言って祖父は私の手を頼りに起き上がった
寝ているままでいい
そう言う私を制し
それは昨日のことだった
いつものようにコンビニで
祖母のおに ....
どろどろになったり
ぐしゃぐしゃになったりすれば
いいんじゃないかな
甘ったれたキモチにピリオドうちたい
それって 死ぬことじゃないよ
それって あきらめることじゃないよ
なにも言わな ....
家族の朝は
音をころしてひそやかに訪れている
踏みしめる階段をあがる足
そうろりとさぐる一段いちだんを
寝息に重ねておりる足
みながみなの
寝るという作業を脅かさぬように
無事に ....
明日の光が見えぬから
今日は息ができるのです
明日の仕事を知らぬから
今は休める羽なのです
凍るよな空気に震えつつ
温度を上げないのは
死んでしまうからです
希望の言葉たちが
....
君は尖がってるから痛いと泣いた
それが僕の言葉なんだって言って
だから全部入れ替えようと
取り出してみたら
真っ黒だったんだよ
どろどろだったんだ
清い水で洗いたくて
抱えてっ ....
触れられたくはないという傷口を
あなたは紅く晒している
こまかく震えるそれは
風がふいても激しく痛む
泣きながら
叫びながら
それでも隠そうとはしないのだ
まるで
勲章のように胸をはり ....
雨がガラスに寄り添って
打ち明け話しているような
ひとりの私は指先で
つっとなぞってゆきました
地面をおおう水溜まりが
あまりに暗くみえたので
身をひるがえして逃げました
溺れぬ ....
少し前に雨がやんだ
吐息のような匂いがたちこめている
冬というものは罪の意識の現われのように悲しい
ガソリンの足りない車のように
とまる心配ばかりして生きる
走りながらとまることを考えな ....
雨が通った街路樹の
匂いを胸に吸い込んで
自分の命に響かせる
同じ命に響かせる
冬がなぞった川沿いの
倒れた花に指添えて
季節という名を染めてゆく
冬の肌に染めてゆく
生きてい ....
終わりに
最終章に書いてある言葉は重い
わりと真実であったり
虚をつかれたりする
終わりに
人の終わりには本音が語られる
終わりに
この際といっては
言いたい事 ....
なんで泣いてんの
と 姉がきく
ずけずけと 真っ直ぐに見つめて
あのときもそうだった
私をみて 手をふった姉がいた
特殊クラスって言葉の意味が
わかりはじめた頃の
私には はずかし ....
ささった棘が痛いから
もう歩かないよ
だれもかれも追い越してけばいい
くじいた足が痛いから
もう動かないよ
だれもかれも見下ろしてけばいい
人に価値があって
人にえらいとか 強い ....
なにも見えなかった時を経て
今は少し見えるようになったのかな
あけたドアから入った空気は
痛いぐらいに透き通っていた
なりたかったものになれなくなって
できなかったことができるようになっ ....
私は私にあって
昨日と変わらない私に出会い
いくつもに分れそして融合する
認めない私もよい私も
私に溶け合って全てを赦し
私というひとつの一人になる
私の窓に
新しい言葉 新しい命
....
私が
景色を切り取って綺麗にうたおうとしている朝に
母と祖母が冷たい戦争をしていた
庭では 冬支度がすすんでいた
家の中の空気と 外の空気が
同じぐらいの温度の朝だった
無言とは
ひ ....
チチオヤ ハハオヤって無条件に
子供を愛すとおもってたけど
違ってたんだな むしろ自分を
愛してほしいとおもってるんだな
彼氏 彼女になったなら
相手が大事だとおもってたけど
違ってた ....
夜になると
寝ないといけないなんて知らなかった
眠らないことで叱られていたと理解できたのは
だいぶ後のことだった
そういうことだったのか と
あのときの母の怒りは
そういうことだったの ....
夜に私の影はなし
だから今は一人歩きで
星がいるとか 月がみてるとか
そんなことよりも一本の缶コーヒがあたたかい
公園のブランコにはだれも乗っていない
今日という日の後悔を
全部数 ....
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