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鯵の開きってあのままの姿かたちで泳いでいるのかな
だなんて今さらながらにとぼけてみせても
私は私自身に過ぎなくて

迎え火で迎え
送り火で送る
ヒグラシの鳴く音に季節の移ろいを覚え

 ....
飼い猫と捨て猫の違いぐらい
こんな私だってわきまえているよ

あなたに甘えられなくて
ミカン箱の中で過ごした一夜

大輪の花火きれいだとあなたは言った
そんな花火になりたくて
この街へ ....
なにやら窓の外がやかましくなった
「今こそ」とか
「ともに」とか誰もが叫んでいるような

ここにしゃがみ込んで久しいし
一見自由そうで実は窮屈な姿勢にも慣れっこ

目を瞑っていれば何が起 ....
くちびるに触れるか触れないか
そんな軽妙さがおとなの分別ってやつだから
コミュニケーションの難しさとか真面目に考えてはいけないよ

古きよき時代であれば
裸足では歩けないほど灼熱の砂浜で
 ....
どうやら苦手なものに好かれてしまうらしい

人前で話すのはいつまでたっても苦手なままなのに
旧友の結婚式でスピーチを頼まれてみたり
不得手解消と中途半端な意気込みで卒業した英文科の呪いなのか
 ....
父が亡くなっても泣かなかったくせして
MJの死にはわんわんと泣いた

そんなものだよね

近くて遠い悲しみと
遠くても近くに感じられる悲しみ

人生のアルバムから今まで生きてきた記録が ....
口喧嘩したとしても
仲直りの機会とか窺うでも無く
当たり前のように手を貸してくれる

たとえばそれは
洗濯物でふさがった両手のかわりになってくれたり
ちんちん鳴り出したやかんをコンロから下 ....
苦手ってわけじゃないんだけど
それでもやっぱし
う〜ん
苦手ってことなのかな


毎年この時期に行われるんだよね
以前は建物の裏口に横付けされた検診車のなかで行われていたんだけど
この ....
良く晴れた多摩川沿いに走る二車線の都道
歩行者用信号機は青へ変わっているに右見て左見て
みーちゃんの手を引きながら急いで渡る

轢けるもんなら轢いてみなよ…いつもならそんな気概なんだけど

 ....
パン作りに悪戦苦闘する教室の扉をそぉっと開くと
可愛らしい眼でこちらの様子を窺いだす

仲間外れされているとかの感情より好奇心が勝っているようで
親指を口に含みながらきょろきょろしてる
手足 ....
私の小鳥が死んだ
何度か獣医さんに診てもらったりしたけど
これが胸騒ぎなのだろうか
部屋の錠を開けるのももどかしく逆光に沈む鳥かごへ駆け寄れば
初夏の陽射しのなかで彼は小さな亡骸と化していた
 ....
糊の効いた藍染めをくぐり抜けると
石鹸の香りがいらっしゃいませと迎えてくれる

散歩の途中でみつけたお風呂屋さん
モクレンの香りに誘われて迷い込んだ小路
朝夕通っている駅前通りとはさほど離れ ....
このところちょっと体調悪くて
なんにしても
弱気がちな自分に気付いてみたりする

元気なときなら
生になんて執着しなくて
潔い
そんなことばの良く似合う心模様だったはずなのに

具合 ....
この野郎、ピンポンダッシュしたろかな

マンションだと言われればそんな気もするアパートの角部屋
レースのカーテン越しに人の気配が行ったり来たり
どうやら生きてることは間違い無さそうだけど

 ....
宅配便の到着を知らせる呼び鈴に立ち上がると
私の下半身を跨ぐように放屁ひとつ
あけすけな音と不摂生な臭さにパタパタと手にした雑誌で扇ぎながらも
これが夫婦ってことなのかと改めて考え直すまでも無く ....
あの上り電車で何本見送ったことになるのだろう
別に数えている訳では無いし
有り余った時間を費やせればとストールの毛玉など毟りながら
外界と隔絶された待合室の硬いベンチに腰掛け
あの夜の顛末でも ....
殺風景なガラス張りの待合室に覚える
独特な曖昧さを避けてみるのも一興と敢えて
乾いた風の吹き抜けるホームに佇んでみた

乗ろうとして乗らなかった準特急の走り去った先には
見覚えのある古い建物 ....
Nice to…

ああ、キン肉マンのおでこに書いてあるやつね
違ったっけ?

あなたは苦笑いしながらも頷いてみせる

完璧主義者を気取るあなただって
お母さんのお腹から出てき ....
「死んでしまいたい」が口癖な君に
「生きていれば良いことあるよ」
と言いかけて言い切ることができなかった

それを時代のせいにしたところで何になるのだろう

夢とか希望を持ち難いこんなとき ....
神さまからひとつだけ願いを叶えてあげる
と言われたので

幸せになりたいとお願いしてみた

神さまはふむふむと頷いて
では、早速明日から叶えてあげよう
と言ってくれた

期待に胸膨ら ....
あっと気づいたときには
避けようがなくて
エンドルフィン働いてくれたのか
やっと死ねるのかなだなんて
奇妙な喜びに背筋ぞくぞくしたのだけど
むりやり右折してきたクルマに衝突した瞬間
 ....
買い物に出かけた初冬の街角で
あのひとの姿を見かけた
両の手のひらをパンツのポケットに入れ

開店前のパチンコ屋に並んでいた
私の姿に気付くこと無く

他愛も無い夢と引換えに大切なものを ....
秋鮭って捨てるところ無いんだよね
骨や皮まで美味しくいただけるし

そんなこと話してみたら

「人生だって同じだよ」
あなたは秋鮭のルイベを美味しそうに頬張った

だと良いけどね
な ....
色鮮やかな薄衣をまとった山あいは
戯れて欲しいと無言でせがみ
得も知れぬ愛おしさと
恋の味とは甘さばかりでは無いことを知る

その味わいのほろ苦さよ
古い峠道の傍らで人知れず朽ち果てた祠で ....
(一)

「ぴーちゃん、ぴーちゃん
トイレってどこなのぉ」

河原の石をひっくり返しては
何やら探していた
まーちゃんが突然立ち上がったと思ったら
おいらの元へ駆け寄ってきた

こ ....
今日も一日誰とも話さずに終わってしまう
仕事柄何十本もの電話をこなし
お昼には職場の友だちとランチなんかしたけど
それで誰かと話したってことにはならない

パソコンの電源落として
机のまわ ....
(1)

掛け声と干物の臭いに押し流されるようにして
昼下がりの賑やかさに身を委ねてみる
所狭しと商品の並んだ店先を覗けば
一見かと値踏みする手練の客あしらいに
思わず半歩後ろへ下がりつつ ....
(1)

明日と言う日の訪れを恐れるときがある
気を紛らわすことさえままならず
早々に床についたとしても
考えるのは埒のあかないことばかりで
苦し紛れの寝返りを打てば
人の気も知らず目覚 ....
みんな大好き!
と叫んだアイドルがいた

その場の誰もが
「みんな」には自分も含まれている
と信じようとして
アイドルの名前を大声で叫んでみたりする

「みんな」
そして「わたしたち ....
(?)

久しぶりのドライブは仲直りのしるし
お正月に学生さんの駆け登る急坂をアクセル吹かしながら
ふたりを乗せたクルマは芦ノ湖畔を目指す

車内にチェックを入れてみても
知らないおんな ....
kauzakさんの恋月 ぴのさんおすすめリスト(96)
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線上のひと- 恋月 ぴ ...自由詩20*09-7-28
suicaなひと- 恋月 ぴ ...自由詩26*09-7-21
好かれるひと- 恋月 ぴ ...自由詩30*09-7-7
問えぬひと- 恋月 ぴ ...自由詩15*09-6-30
憎めぬひと- 恋月 ぴ ...自由詩23*09-6-16
モモなひと- 恋月 ぴ ...自由詩24*09-6-8
夢さわぎ- 恋月 ぴ ...自由詩27*09-5-25
夢あそび- 恋月 ぴ ...自由詩23*09-5-19
止まり木のひと- 恋月 ぴ ...自由詩22*09-5-4
ぷかり- 恋月 ぴ ...自由詩33*09-4-20
ららら- 恋月 ぴ ...自由詩28*09-4-13
ピンポンダッシュは二度ベルを鳴らす- 恋月 ぴ ...自由詩22*09-3-31
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次第のひと- 恋月 ぴ ...自由詩28*09-1-25
ミートなひと- 恋月 ぴ ...自由詩16*09-1-17
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