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大事にしているガラスのビンに
今日もそっと秘密を隠す
ミチャダメ デチャダメ
蒼の中に消えた秘密のひみつの光り
苦しさと喜びと分かち合いと切なさ
切なさは刹那さになり 刹那さは心 ....
夜に私の影はなし
だから今は一人歩きで
星がいるとか 月がみてるとか
そんなことよりも一本の缶コーヒがあたたかい
公園のブランコにはだれも乗っていない
今日という日の後悔を
全部数 ....
明かりを消した部屋
カーテンの隙間から
猫が月を見ている
彼女の飼っている 黒い猫
うっすらと浮かび上がる
陶器のような彼女の背中
昼が人の表側を照らすのだとしたら
夜は人の ....
海より遠い、
安曇野を思う
穂高の山々を
わさび田の清流を
あるいは
ただその空を思う
閉め切った窓の硝子に反射する、
ピアノ曲に誘われ
ふっと解けた封印は
気付けばとっくに ....
田んぼの道ぬけて
山ひとつ越えて市街地に帰った
藍いろの街のひかり
遠くからだからかやさしい眺めだ
あのひかりの中でぼくは
ハードルを下げたまま生きているひとを
....
いくつもの読点で、あなたを区切って
体内へと運ぶ
元のカタチを、思いだすこともできないくらいに
細切れに、咀嚼していく
小指の爪から、過日の砂が落ちて
潮の匂いがした
....
狂った軌道は
二度と戻ることなく
ぼくらは
あなたの
ねじ曲げられた左手に
泪する
13月でぼくは誰にもとらわれなくなる
13月でみんな狂い始める
13月でぼくは空想の宇宙で生きることになる
13月でみんなぼくの言うことをきく
13月は鳥と花が舞う
13月は月がきれ ....
明けない夜は無いらしいから
幾つかのあの夜達を積み重ねたら
いつか朝を迎える事が出来るだろうか
冷たく張り詰めていた空気が少しだけ緩む
肩の筋肉は若干だが弛緩する
あぁそうだ
閉塞とか ....
何見ても泣くのは
世界が変わったからで
自分が変わったからかもしれない
三月
空気が違うんだ
光が伸びる
涙で滲む
心が空洞で
音がしなくて
言葉にすると
どっと涙があふれて
....
雪がとうとう
本当のことを話すと云うので
待ち合わせをした
溶けては困るというので
真夜中だった
だるまにしてくれないと話せないというので
なんとか作った
少ない雪では小さくしかできなか ....
満ちた
なにが満ちたか分からない
でも何かがきっと満ちた
何かの一滴が落ち丸く波打った。
その瞬間
たんまりと満ちたのを感じた
ずっと前から少しずつ蓄積 ....
呼んでも来ない
呼んでは消える
声は鍵になり
あけるもの無く
何もせぬまま
そこに浮かぶ
塗り込められた
壁の扉
ふたたび現われ
何処へつながる
鳴るのはひとつ ....
{ルビ荒=すさ}ぶりの手のひらを返して
寝息の間に
水を汲みにいく
逃げ出さない太陽のしるしと
ガラス窓の四辺に溶けこむコールサックの黒煙を
一枚ずつめくりあげる
この程度の渇き ....
思いきり泣いたので
結構貯まった涙の玉
業者に売りさばくのも
良いのだけれど
私を悲しませたヤツに
思いきり投げ付ける方が
良いのだ
仕事終わりに呼び出した
人気の無いオフィスで
....
ノックをしてみる
と、きちんとノックが返ってくるので
僕は待ってる
春になって数回目の風が吹く
見上げる空の青さも
鳥の羽ばたきも
風にさらされている皮膚も
本当は多分
言葉でしか ....
風が強いから
いつでも飛べそう
あ、飛行機
わたしも飛んだら
見つけてくれるかな
誰か じゃない 人
わたしが一歩進むたび
あなたも一歩進むから
追いつけないの
でも追い ....
私の詩は頭で考えすぎているという
言われて見ればその通りで
反論をする気も起きない
ぐちゃぐちゃと脳髄だけで思考をこねくり回していて
決定的に体感覚が欠けている
だがそれでいい
私はそ ....
飛んでいる鳥を
「優雅だ」
なんて、いうな。
きこえたのは、レクイエム。
北か、南か、東か、西か。
はこばれてきた、レクイエム。
名もない鳥、風にとばされ、死んでっ ....