すべてのおすすめ
あの空は
ぼくたちにとってのどんな色で
何かを忘れないための色になったりするんだろうか?
つきぬける青に白い雲ひとつ
思いかえせば、
この変わらない空の下を
ながい間、 ....
だれに愛されるわけでもなく
だれを愛するわけでもない
あなたはあなたのままでいて
わたしはわたしのままでいる
独り歩くということの
ゆき場も見えぬ哀しみの
....
ずいぶんと歩いていた
ぼんやりとそれだけはわかる
ふくらはぎの痛みの感覚は通り越して
いつか読んだ本の陳腐なストーリーのセリフみたいに
「それでも行きたい先がある限り歩くんだ」 ....
魂ヶ崎
たましいがさきで会いましょう
希望の岬で会いましょう
あなたが飲んだ、その泥までも
あなたが裂いた、その腹までも
すべてを洗い流した場所へ
....
朝が月を殺す頃
その細い首をきゅっと絞めあげて
太陽がごうんごうんと鳴りはじめ
白い光は
精液みたいにとろりと落ちて
ぼくは生まれてこなければよかった、
と思うのです
....
あのとき、偶然
だれにも声をかけられていなかったなら
ぼくは今ごろ
ここにはいなかったのだ
偶然、生きているぼくは
今日も、また改札口をぬけ
ケータイを開き
牛丼 ....
あなたの誕生日はいつだったっけなぁ
と思いながら
刻々とすぎてゆく日々
選ぶべき言葉も選べないまま
大切なもの
いっさいが流れてゆくというのなら
それは、きっと
わたしが ....
また、この季節がきたよ
ながかったねぇ
ぼくたち
華やいで
きみ
咲いているよ
あの花は
すべてを忘れろっていうように
咲いて、風に流れているんだ
....
なくした言葉がいくつかあって
それを、また
見つけだすのにあたふたなんかして
正しい言葉
わからないんだ
ぼくは
言葉は無力だと知っていて
それで ....