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妹のパンツが盗まれた
ぼくんちの犬は知っている
この足跡
この残り香
子供の頃よく遊びに来ていたお向かいの子だ
塀の落書き
ピンポンダッシュ
むしられた花壇の花
直接投函された手紙 ....
アタシは見栄っ張りだから
犬でなくてよかった
馬鹿みたいなアイツのひとことで
勝手にシッポがゆれうごくなんて
まっぴらゴメン
ほんとうに
犬でなくてよかった
去っていくアイツに
全 ....
片々雪花
春を目前に
街の喧騒を
吸い込み
静寂の
雪
大きな雪片は
まるで天使の羽根だと
貴方は天を仰ぐ
天使なんかいないわ
私の胸に
貴方の名を刻み込んだのは ....
パスタを茹でる間に
僕は死んでしまった
彼女は救急車を呼んで僕を運んだが
既に手遅れ
帰宅した彼女は
味のないぐずぐず茹ですぎのパスタを
僕の最後の料理を
ひとり頬張る ....
