とても広い湖の
至るところにブイが浮かび
竹を編んだ丸いものが
そっと押されて岸を離れる
竹を編んだ丸いものから
一つのブイが遠のいていき
またそれ以外のあらゆるブイが
どれも等しく遠の ....
死んだネコを抱いてまちを歩いた
ひっく
具合の悪いかげたちがのびたりちぢんだりを繰り返している
ひっく
おりの中のサルたちとその腕が地面から離れていく
水槽の中のイソ ....
(ここでは宇宙をスプと言います)
最前列右の左のスプを見た見たもの全て衛星で死亡
(ここでは宇宙をンと言います)
ンの声がロケット破壊しつくしてβ・γ線上の{ルビAir=アリア}
....
あの頃、君に告げられなかったことを今
***
ねぇ、君
冷やし中華を誰よりも早く始めたいの、とはりきる君の姿が僕は好きだったんだ
ねぇ、君
扇風機の首フリに合わ ....
少しだけ死なせて、と
たった一人
君が言った
春の
うつくしい夕暮れだった
ぼくは
君なら死んでもいいと
思ったから
ばんご飯の時間には
帰っておいで、
と言った
ぼくは君が
....
「あけみ」という女の子の話。
違うかもしれない。もしかしたら僕の話かもしれない。
あけみが僕のそばにいることに気づいたのは彼女の一周忌の夜
彼女にはとても好きなカクテルがあって
僕は供養の ....
スチュワーデスさん、とスチュワーデスに声をかけると
私にはケイコという名前があるんです、とそっぽを向かれる
今度こそ間違いの無いように、ケイコさん、と呼ぶのだが
ケイコは押し黙ってしまう ....
夜
きれた煙草を買いにコンビニにいったら
店員である友人のBが
マルボロ新しいの入ったよ
とレジ打ちしながら眼の前に立つ
ぶす・でぶの大学生らしき女を ....
「えいえんをめぐる短詩集」
@ノ”
@ノ”
かたつむりは
えいえんに
えいえんに
たどりつきませんでした
おしまい
海と空と
何のために生 ....
荊棘(ばら)を摘む掌のなかにだけ朝はある
そのまへの夜そのあとの夜
*
駆けている 少女は服をぬぎすてる
むねにはことば あしあとはきへる
*
....
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