すべてのおすすめ
その1
熱帯雨林。カヤワラ鳥の鳴く声。
煮詰められた毒素の甘い匂い。
腰蓑の女王のはだかの胸、
重たげに吊り下げられたガラスと金属。
きみが持っていた聖書は
火に投じられた。
き ....
沸騰する赤い酒はきみの血で
かさかさに硬いパンはぼくの肉
どこもかしこも乾いていた
この世界も ぼくも もう ずっと前から
玄関には裸体の男をかたどったブロンズ像があった
防人のように居 ....
ウツムイテナメルアシが玄関先まで来ているらしい。
夜だからなと思いながら玄関の灯りを消し、
錠をかけて小さな覗き窓に片目を当てる。
何も見えない。
明日の朝、ウツムイテナメルアシの、
いつも ....
新聞屋が朝刊を持ってきたけれど
鳥がやってこない
鳥がおりてこない
待っているのに
{ルビ魂=たま}呼ばいのやりかたがわからない
どううたったらいいのかわからない
岸の向こうには駅があ ....
{ルビ鳴家=やなり}という言葉よりさきに
ラップ音という言葉を覚えてしまった。
部屋の片隅なにもないところで
ごく局部的に温度が上昇または下降し
はっきりと物質化したエクトプラズムがあらわれ
....
駱駝は人手に渡してしまった。
少しの水と、一日分の糧と引き替えに。
だから二人の娘は手をつないで歩いた、
月下の沙漠は、
はろばろと二人の前に広がっていた。
邪恋の娘ども、と囃し立てられ ....
飛ぶ鳥はとても軽いのだということを
わたしはときどき忘れる
飛ぶために鳥が捨て去ったものの重さを
わたしはときどき忘れる
鳥の骨は細く軽く
すきまだらけで脆いということを
150kg超 ....
サンバのリズムで彼女は案内する、
タタタ、タンタ、タタタ、タンタ
広がるフレアスカートは真っ赤、
熱気のみなぎる裏通りは、
これでも充分には裏でないらしい。
粘っこいグリースの臭い、
不意 ....
きのう
生きている友に手紙を書いた
行かなかったけれど
忘れたわけではないと
きょうは異常乾燥注意報が出ていて
どこかの土手が延焼したと
広報が単調に喋っている
どうせ誰かが消す ....
繕っても繕ってもほつれてゆく
こたつぶとんのはじっこの糸のような
きみのことばに耳を傾けている
そとはつめたい雨
ポストに届いたばかりのハガキには
あと三十分で春がきます と
楽観的な文字 ....
禁忌は真っ白にほどけてゆく
きらきらと
あたりいちめんにひかる黄砂
爛れてゆく頬に
焦げ縮れてゆく髪に
明るくかがやくプルトニウムをかざろう
これで終わりなのだから
やり直すこともな ....
よしおかさくらさんの佐々宝砂さんおすすめリスト
(11)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
女王の片恋に関する11のソネット
-
佐々宝砂
自由詩
3*
08-10-19
河のほとりの白い家
-
佐々宝砂
自由詩
3*
08-10-19
ギラギラの爪
-
佐々宝砂
自由詩
4
08-8-31
朝のたべもの
-
佐々宝砂
自由詩
3+*
08-8-10
鳴家
-
佐々宝砂
自由詩
9
08-7-18
影さやかな月のもと
-
佐々宝砂
自由詩
16*
08-4-18
軽さへのあこがれ
-
佐々宝砂
自由詩
45+*
08-3-18
ネジ台通り
-
佐々宝砂
自由詩
3
08-3-15
春の闇
-
佐々宝砂
自由詩
6
08-3-7
はるのいと
-
佐々宝砂
自由詩
7
08-3-7
ハ長調で破滅を唄おう
-
佐々宝砂
自由詩
7
08-2-26
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する