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空が晴れていると
どこへ行ってもいいような気がして
ふらふらと遠出をしてしまいたくなる
そんな時はスーパーへ行って
掌にちょうどおさまるくらいの大きさの
果物をふたつ買って帰る
右と ....


飲みさしのコーヒーの中に
砕けた夏を発見した
掬い上げようとしたら
逃げるみたいに砕けて沈み
底の方で銀色に光っている
人差指でかき回すと
跡形もなく溶けてしまった

 ....
わたしのバッグは黒色で
いつもぷくっと膨らんで
それで非常に重たいです
いつも利き手で持つ為か
右腕だけがだらりと伸びて
地面に付くほどになりました

バッグを持っていないと均衡が取 ....
蝉の抜け殻を
村で一番集めていた村長が死んだ
彼の亡骸は
蝉の抜け殻に埋められるようにして
荼毘に付された

それがみんな燃え終わる前に
新しい村長がやって来た
新しい村長は口ひげを生 ....

わたしの家の郵便受けには
朝になるといつも
赤い花がいっぱいに届けられる
露を含んでぽったりと
流れ出しそうな赤い花だ
どこかにわたしを好きな人でもいるのだろうか
捨てるに捨てられな ....

小さい頃
コーヒーとは
空色ののみものだと思っていた
すくなくとも
母親が眠れない夜にいつも作ってくれた
ミルクコーヒーは
曇りの日にふと覗く
青空の色をしていた

それなのに ....
この頃は
新聞の死亡記事を切り抜いて
町内の電信柱に
べたりべたりと貼り付けることにしている

今日もこんなに沢山の人が死にました
毎日毎日人は死にます
これだけの人が死ぬ中で
わ ....
埃っぽい事務所へ入ると
アルバイトさんが
目玉を取り出して洗っていた
ごめんなさい
びっくりしたでしょう
ちょっと埃が入ったものだから
と言いながら

くぼんだ掌に載った目玉は
 ....
深夜の路上に
空き缶がひとつ
ぽつりと立てて置いてあった
こおん
とけっとばしてみると
そこいらじゅうから
わああああ
と逃げてゆく子供らの声がして
にわかに恐ろしくなったものの
わ ....
よしおかさくらさんの吉田ぐんじょうさんおすすめリスト(9)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
スーパーにて- 吉田ぐん ...自由詩3808-11-17
夏の終わり- 吉田ぐん ...自由詩1808-8-23
バッグの意味- 吉田ぐん ...自由詩1308-7-25
村長- 吉田ぐん ...自由詩1208-6-15
日常- 吉田ぐん ...自由詩1308-5-13
お台所の話- 吉田ぐん ...自由詩1608-5-3
自殺志望の友達へ贈る詩- 吉田ぐん ...自由詩20+08-2-3
アルバイトさんのこと- 吉田ぐん ...自由詩808-1-23
かんけり- 吉田ぐん ...自由詩1407-12-8

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