思い出を右から左に
並べて行く
海の見える場所に
家を建てた
波の音が聞こえ
潮風が吹いて
ウミネコでも鳴けば
と思い続けてもう
ペンキもはがれてきたのに
ぼくの昨日は消 ....
悪いことは言わないから
今日は村の外に出ない方がいいとおもうよ
とくに今夜みたいな月のない夜にはね
今日はここにいてみんなと
楽しく語り明かさない?
おいしいお酒もあるしさ
暖かな暖炉もね ....
きみの一日を 僕は知らない
きみが毎朝買っているパンの味も
きみが気にして飲んでいる健康ドリンクのことも
きみが僕に隠れて嬉しそうに読んでいる新聞の四コマ漫画のことも
きみが髪を無造作 ....
クラブ仲間と遊んでいても
ドーリーはひとりぼっち
パブの女の子たちは貝殻のようで
手ざわりだけがいいと思う
どんな奴の話も上手に聞けるのに
なんだか仲間たちの腕にある ....
くもり空のした
駅まで歩いた
人を見たくて
屋根もみどりに濡れて
鉄橋の金網から
山手線を見下ろしつぶやいた
とうとう今年は桜を見なかったな
こころを開けなかった
三叉 ....
{画像=080413012058.jpg}
ただ
生きているだけで、
疲れただなんて、
ぼくもいったい
いいかげんなものさ。
二十三の
ぼくの人生なんて、
いったいなんなんだろうと、
....
落とすなよという
ぬくもりに頷いて
大口を開けたまま
空を仰げば言葉の
群れがやってくる
言葉を零さぬよう
頬張りながら排出
してしまわぬよう
消化だけに留める
全て ....
彼女がいやなのは
その事柄よりも
それを知らないでいる時間
彼女がいやなのは
戦わずして逃げること
彼女がいやなのは
無視されること
人は傷つきすぎると
誰もが自分 ....
「せんせいのては やさしいかたちしてるね」
いきなり言われたので
僕は自分の手をじっと見た
どうみても普通の手だ
「どういうところがやさしいの?」
血管がういて筋張っているし ....
夢の中でキリンと友だちだった
野原や森を走り回って虫とりをした
僕の運転でドライブした
キリンはサンルーフから首を出して
ご機嫌に歌った
作ってきたお弁当を文句ひとつ言わず
ウィンナーも卵 ....
好物のベーコンチーズサンドに
下がる目尻
垂れたお腹
脆いんだろうか?
珈琲を啜っては新聞を捲る
秀でた額
背広を羽織り玄関から飛びだしていった
7年目の朝
いや、硬いかも ....
口許から思わずこぼれそうになった思い出を飲み込む
誰も拾ってくれないから
こぼれてしまったらいなくなってしまうような気がして
いなくなってしまうような気がして
あわてて飲み込んだら
なん ....
毎日の洗い物で荒れる指だが
こまめにハンドクリームを塗り込むことで
この冬はヒビやあかぎれに悩まされなかった
昔から
荒れる 治す
を繰り返してきたことで
指紋はほとんどなくなっており ....
街灯がぽつんと揺らめく夜
私の嫌いな公園に咲く
桜の花を見に行ったことがある
私が眠っていたら
仕事から帰宅した母が
お酒臭い息で興奮気味に私を揺り起こした
お前の好きな公園が
....
この世に善も悪もない。
あるのは、それを決める人の心だけだ。
ねえ君は
どうしてそんなに喋り続けるんだい
何かから逃れるかのように
何かを一時でも忘れたいかのように
その身体を
いま/ここに繋ぎ止めるために喋り続ける
軽くなる言葉
....
あの人の
邪魔にならぬよう
あの人に見つからないように姿を隠し
息をひそめ
ただじっと
あの人を感じ
眺めてみる
邪魔をしたくないから
私という存在で
あの人をかき乱した ....
昼下がりの教室が好きだ
土曜日、テスト終了後のちょっとした時間
つかのま開放されたような空気が好きだ
そして特にやらなくてもいい採点を
僕は好きでやっている
どうせ僕が採点しなくても ....
{画像=080326234813.jpg}
際限のない
繰り言の後、
深い眠りの中で、
暗い深淵を覗き込む
一匹の老猿。
その額に光る玉は
甘く、黒く、
涙の透明さに
後悔の苦さをな ....
もぐらに会いたい 今すぐ会いたい
でもそれは叶わぬ夢 だってここは
マリアナ海溝の奥深く
地上の光が届かない 海の底
だけど会いたい もぐらに会いたい
これは私のわがまま 無理に決まって ....
{画像=080320163452.jpg}
血に毒が混ざって身体を廻る。
ドクドクする血管の鼓動が命の儚さを感じさせた。
やがて熱も冷めて血管が収縮する。
その感触に作り物の身体が ....
なんだかこぎ疲れたから
ちょっと立ち止り休んでみる
無理してこがなくとも良いのだと
あなたは諭してくれたけど
途中でやめるなんてことできなくて
意固地になんかなっていないよ
こぎ続ける ....
雨がふると
むかし行った遊園地の
メリーゴーラウンドをおもいだす
楽しみにしてたのに
その日は雨だった
かっぱを着て
長靴はいて
お兄ちゃんとふたりで
メリーゴーラウンドに何度 ....
家に入ると
音をたてて雨が
降って来た日
僕は心を失くし
愛情の伴わない
告白をした
東京6時41分
金沢6時51分
大阪6時51分
広島7時2分
那覇7時6分
深夜のタ ....
おかず一品足りないと
不機嫌そうな顔をするあなた
でもね、わたしだって何かと忙しいし
お給料日だってずっと先
あなたに足らないのはおかずじゃなくて
もうちょっとの頑張りなのかな
好きな ....
{画像=080301014739.jpg}
愛に飢えているわけではありません。
恋に憧れているわけではありません。
ただ一途に想いたいのです。
自分のすべてを忘れてあなたに
わたしのすべてを ....
{画像=110609020839.jpg}
そこは想い出が流れる川。
満水の流れは泡をも飲み尽くし流れて行く。
運命という定めは時の流れを流れ、
堰き止める何ものも無い。
わたしは流木の ....
定期券をなくした
毎日通った
半年定期だった
あの人のこころゆきだった
なくしたので
きょうは切符を買って行った
帰りも切符を買った
ならんで買った
電車は混んでい ....
公園でパンを
食べていると
Justiceと書かれた
Tシャツを着た
欧米の人に叱られた
大地にパン屑が
こぼれているじゃないかと
顔を真っ赤にした
欧米の人に叱られた
夕方 ....
高校はへんさちで言うと
中の上のへんで
商店街の本通りが見下ろせる
屋上でいつも
ちよちゃんと並んで
お弁当を食べました
たわいのない話
ゆめや
男子のこと
テレビや
音楽のこ ....
1 2 3 4