すべてのおすすめ
ひとり暮らしのテーブルに
しばらくぶりに野菜がいます
使い古された
タッパのいろと
サランラップのしわくちゃ加減
レンジひとつで済まされる手軽さは
とってもチープで笑えてし ....
星は星に座って
星を広げた
片手で星をすすりながら
遠くの星で、星たちが殺し合うのを知った
星の上に、ひとしずく星が流れた
空に散って 風に舞った
遠くなればなるほど
小さな星は小さ ....
中国の森の
奥深く
誰も見た事の
ない、動物がいた。
空を飛び
川を泳ぎ
馬のように走り
変幻自在だった。
サルノコシカケを
食べていた
それでも幸せだった。
四千年生き ....
風と雪が一体になって
すべて吹き去ろうとする
なんて
東京の人は信じないだろな。
こんな初めての日はすごく嬉しい。
秋田での出会いや繋がりや見聞きした全ての出来事も
消えてしまうだ ....
一円の雪が降った朝
十円のゴミを収集する車が
難しい顔をして通り過ぎる
百二十円のココアを
二千九百円の手袋で包み
三円分のリップクリームを塗った唇に持っていきながら
それを見つめていた
....
このまま行けば
東北だけど
宇都宮で降りてしまった
理由はない
餃子が食べたかったわけじゃないわ
雨でした
つめたい雨
季節が都会ではわからないなんて嘘
道行くひとの服のいろ
空 ....
玄関を入るとまず見えるのは
脱ぎ捨てられたあなたの靴
そっと並べる度、思い出の数も増えていくの
その先に長く永く二人の愛のごとく続く
実はたった2.5メートル程の廊下
両端に1つずつ ....
空はいつからか
うそをつくことを忘れたようだ
また 冬に近づいた
寄せ集めた言葉で
とりあえず冬を迎える準備をした
....
図書館の本は
公務員みたいに黙って
読まれる、という役目を
少し怠そうに待っている
田舎の図書館は
どうも品揃えが悪くて
本にも覇気が無い
手に取ってみても
抵抗はしないけれど ....
悲しいのか何かは知らないがよくわからないものを抱えて
コピー機の上に座ってみた
コピー機はしばらくの間ウィィィンと思案して見せたが
すぐに働き者の知恵を発揮して
ガッガガと印刷をし始めた
や ....
子宮から産道を通って思いっきり息を吐いたら
絶望が打ち寄せてきた
だけどまだ、母の温もりを知らないので
知るまでは死なないでおこうと思った
階段を登ろうとしたら
絶望が打ち寄せてきた ....
月曜日
わたしには仕事などない
だけど、うちにばかりいると叱られるから
とりあえず、仕事に行くふりをして
たんぼの畦道をよろよろと歩いた
畦道は細くなったり
太くなったりして
歩きや ....
ひとりで
回転寿司に行きますと
何周もしている
モンゴイカにふと
周回遅れのじぶんじしんを重ねて
真向かいの
ホスト風の男が
うにいくらと注文しているのを
同じ色の皿ばかり積む私は
....
お葬式の帰り
タクシーでいっしょになった
あまり仲良くなかった美代ちゃんと
彼のおもいで話をしようとしたけれど
たいして
覚えてることなんかないねって
シャッター通り
そういえば
....
皿をかさねる
どんな料理でも
皿が汚れる
皿をかさねる
指先に祈りを込めて
汚れを落とす
蒸気があがる
床下に壁の中に
張り巡らされた水道管から
私は皿 ....
お誕生日にも
クリスマスにも
ホワイトデーにも
なーんにもしてくれなかったあなたが
ある日買ってきたのは
室内用のプラネタリウム
わたしは食器洗い器がほしくて
乾燥機がほしくて
全 ....
いつまでも
優しくあろう
小さな太陽が
果てしのない流れの中で
一瞬間だけ
またたいている
どんなに邪険にしても
きっと魂が
引き寄せられてしまう
星に、石に、樹木にするように
虫 ....
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