すべてのおすすめ
赤いメトロノームが死んで
青い空に溶けた
灯がともり
薄明かりの朝は目覚めた
地中深くからの冷えた手
固い岩盤の協奏曲
大地は緑に染まり
花は変わらずにまた咲いた
寒さに凍 ....
絵描きの家には絵筆が数えきれないほどあった
太さが様々な絵筆が ところ狭しと並んでいた
絵描きは嘘をついていた
彼は絵描きではなかった
どこかに球体があった
それはそれは丸かった
....
夕陽が太陽が光、砂州の町が陰影の夕景、細い路地、チャイムが響く町
誰もいない路地が、僕には必要だった、用水路が、海に続いて、コンクリート、チャプ、チャプ、音を立てる波、変哲のない石ころが、変 ....
それは優しく
ゆっくりと開く花だった
何度も地面を打つ雨に
流された花びらの
消えて
僕は
それを全部覚えてる
袖口から
千切れた会話の続き
明日が
....
僕の体重で沈むクッション
赤い残像が
まだ眼の隅にチラついている
暗転した部屋
何が起きたのか分からない
あれからときおり
たくさんの音が囁くのをやめたり
残像が色を取り戻したり亡く ....
花瓶を洗面所まで持っていく。
中の水を排水口にゆっくりと垂らす。幾分大きな花瓶のためどうして水を汲もうかと逡巡したのち病院の外の水道を探しに行く。消毒の効いた洗面台が花びらの一枚一枚を枯らすかもしれ ....
あの人は、なぜ孤独を感じないのだろうか
空を埋め尽くすほど広がる楕円形の雲が
優雅に進む鯨の群れのように見えた
しばらく人とは会えない
門番の役目は
乳白色の雲と
深く厳しく断絶さ ....