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太陽がのぼると
鳩がえさをついばみ
{ルビ教会=イグレシア}の鐘が鳴り響く
レタマ・ブランカの花が
今日も甘い香りを漂わせている
もうひとつの町にも
ここと同じ朝がはじまる
....
君を知るはじめての雪くちびるに
触れるまもなく溶けゆく微熱
汽笛過ぎたどる鼓膜に降りかかる
{ルビ細雪=ささめゆき}かな哀しみかすか
綿雪がいつか隠してくれるま ....
おだやかな鳩のように
私はうたたねをする
窓の外は明るい雨
静かにふっとうする時間
やがて雪になる事を予感する
読みかけの本はレイ・ブラッドベリ
夏の草いきれがむっとたちこめる
....
小鳥を逃がした事がある
さみしい時に啼いてくれたのに
鳥籠にいる姿がかなしくて
僕の目の届かない世界まで遠くへやって
今もふとすると胸うちで啼いている
傷ついたその折れた翼で
....
日が暮れる
夕空に星が輝いた
大きな月ものぼった
満月だ
タワーに灯りがともった
家々の窓にも
お店のショーウインドウにも
月が追いかけてくる
黒い山の ....
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