現実はいつも
残酷な音をたてるからね
いまだに
感情をふりきれないこの男は
情けない、と
つぶやくコトバ以外を思い浮かべられなかった
あてもなく
わらい顔をつくっ ....
産まれたのは透明な冬
冥王星のなまえをもらった
彼女は海に飛び込む
後姿は蝶の背骨
白い指で息を止めても
朝はきっと来ない
細い髪がやわらかくゆれる
スローモー ....
まさかトイレで寝入ってしまうとは
今何時だろうか?
けっこう長い時間眠ってしまった気がするけれど
鍵はかかっていないはず どうしてドアが開かない
ひとり暮らしな ....
メアド変えました!
登録変更お願いします!
kyosuke-maekara.suki-deshita@docomo.co.jp
-
メールアドレス変えました♪
登録変 ....
いらないものがおおすぎるんだ
ねえ私たちは
両手でそらをはかろうとする
出来ないよ
できないよできないよ
わかってるのに希望をすてない
あしをとられて倒れこむ
砂地 ....
胸は
すぐに
いっぱいになります
それゆえわたしは
多くを連れて
行けません
あなたを
はじめて呼んだ日に
こころの底から呼んだ日に
海は向こうになりました
永 ....
彼女の瞼は、ある種の確認に満ちた、
10000本のクラリネット。
消えゆくランプの影を踏み、
ゆるやかにダンスすることを好む。
降りてきなさい、光よ、降りてきなさい。
痙攣する、
....
その時の感情は、諦めとも憂鬱ともつかない、郷愁にも良く似た、感情だった。
僕の視線が宙を彷徨い、何処からか飛んできたのか、花びらが横切る。
踵を返すと、また幾枚かの花びらが前を横切る。 ....
眠れないからもう諦めることにして
空中に浮かんでいる音階を拾い集めては
群青の彼方へと放り投げている
あれがいつか星になればいいとおもう
ひとつの手記がある。
戦時中、理性を失った科学者がある実験を行った。
はじめに彼が用意したのは巨大な体重計だった。
その体重計の外観はベッドのようで、大人一人が楽々横になれる大きさがあった。
....
ぼくには声はないよ
さけんで さけんで
声はきこえなくなってしまったよ
ぼくは、うたえないよ
ただ、卑屈な笑みしかつくれないよ
正直、今日も死にたいと思っているよ
病気と言って ....
あちこちの地面に張り付いた影たちが一斉に声を張り上げる。
「細身の影はこっちだよ。ちょいと太めのあんさんも、きれいなシルエットに写してあげるよ。」
「おちびちゃんはこっちへ ....
下を向いて歩こう
涙が早く枯れるように
遠くのサイレンがきこえる
しゃららら
舐めるみたいにきずぐち焼いて
いとしいねこのけなみ
なでなで
こめかみにこつんと
空気のあたる音がしました
わたしには
ことば ....
欠けた爪先の叙情
カップ半分のコーヒーから蒸発したのは
週末の流星
ハンカチーフ
スウィートキャンディ
ハイソックス
リップクリーム
カンバス
おま ....
りんりんと
しなびた空気をいま
のみこんで
ナイフを もっています
ナイフは 金物屋のおじさんが
よく切れるよ と言っていたので
(おじさんは嬢ちゃん、といった)
(ナイフを売っ ....
たとえば の予防線
あなたのくしゃみとてもかわいい
それなのに
てをつなぐ あたたかい
哲学の蝶がひらり とまっても
むしです やさしいことがすきだから
ウインクのひびきに ....
氷魚のスケルトンな尾鰭 なめたい
夏にそらを飛んでるのをみて
ずっと 夏の子なんだとおもっていた
きらきらと注ぐ飛沫が肌を焼いて
もう しにたい
帰ってくるよといったひとは 眠ってい ....
男は物陰で
右目だけ出して
立っていた
男は物陰から
右半身だけ出して
立っていた
男は物陰から離れ
ようやく全身を見せた
そんな事にひと月も費した
まったく ....