水に浮かんだ子のまわりに
鳥のように大きな若葉が
一枚 一枚と落ちてくる
子は枝を噛む風を見つめる
見ぬふりをする空を見つめる



黒い衣 黒い犬
黒い土の上に ....
エミリー
あなたと最初に出会ったのは羊水の中
あなたは何も言わず
私を蹴って押し出してくれました
あなたはそれっきりそのままで
難産だったと語る母にあなたのことを訊いてみたのです ....
かつて滅びた文明
メソポタミア文明
それが今私の中で蘇る

ホットケーキは石で焼いて
チョコレイトは石で溶かして
ミルクセーキは石で泡立て

「石ばっかりやな」

私とあなたでは意 ....
あきれたことに
男の料理のうるさいこだわり
重症であるとみた
牛の脛肉やすじ肉を
すりおろした梨で煮込むビーフシチュウ
たった2時間で出来るのだと
得意げな彼

不吉なオレンジ色の月が ....
ありがとう
うまかった

ありがとう
まずかった

いつも
いつも
飢えていて

ありがとう
食べてきた

皿盛りの肉
絞った蜜
犬の舌焦げ

ありがとう

母の ....
絵描きの描く肖像画は
どれも本物と見間違うほどの
素晴らしい出来映えだったが
どの絵からも
顔の構成品がひとつだけ欠けていた
片目の瞳だったり
上唇だったり
耳たぶだったり
必ずどこか ....
これが、かのん

これが、かのん、の
お人形のぽぽちゃん

これが、かのん、の
お人形のぽぽちゃんのポシェット

これが、かのん、の
お人形のぽぽちゃんのポシェット
のなかの白いお ....
「うみ」
と書けば
白い波が寄せて返し

「そら」
と書けば
どこもでも青く

「もり」
と書けば
木々が香り

「とり」
と書けば
それは翼をもって飛びまわり

「ま ....
喉もと
鏡で位置を確かめる
思い描いた真っ直ぐなラインに
鋸の歯をあてがい
両手で柄を握りしめて
鏡に写ったわたしが
ゆっくりと押す
引く
ずうう
細胞が裂ける
肉が千切れる
 ....
  

  放課後の静まりかえった女子トイレ金魚が一つ産み落とされる

  揺れ動く尾びれ背びれに滲む跡肢体をつたう金魚群

  奔放に泳ぎまわるや体内の水槽覗き金魚と目が合う

   ....
ふうさんのおすすめリスト(101)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
黒衣の子- 木立 悟自由詩203-12-13
エミリー・エミリー- いとう自由詩63+03-11-24
メソポタミア- 佐々井自由詩703-11-21
梨_(二)- Six自由詩403-11-16
食べてきたものたちへ- k o u j i * ...自由詩29*03-11-15
欠落- アンテ自由詩14*03-11-2
『かのん、の』- 川村 透自由詩8*03-9-19
「___」に言葉を入れてみろ- たもつ自由詩3203-9-17
コップ- アンテ自由詩403-9-11
赤い月- 容子短歌1703-7-16

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