明け闇に稲妻
白い栞のように
風は慌ててページをめくる
朝を探している
朝
井戸につるべは落とされて
鏡が割れるように
宝石が生まれるように
しぶきは上がる
あたたかい頬 ....
どんなに つらくとも
どんなに くるしくとも
どんなに こわくとも
歩くことはしないで 走り続けて…
******************
今でもふと頭の中をよぎる
旅立つあなたの ....
行ってきます
どこへですか
遠い遠い風の帰る場所に
いつごろ帰ってくるのですか
わかりません
ご一緒してもよろしいですか
いいえ あなた ....
あるところに13才の子のななしの子がおりました
2つ上の姉様がおりまして
其の姉様というのが 大変美人で 剣道をやっているそうなのです
ななしの子も剣道をやっているのですが
姉様に勝てな ....
淡いかなしみの曇り空が
堪えきれずになみだを落とすと
紫陽花は青
束の間のひとり、を惜しむわたしは
思わず傘を閉じ
煙る色合いとひとつになりたい
街中の喧騒は
雨の糸に遮ら ....
{引用=
きみがとなりにいて、まつげの
触れるくらいとなりにいて それは
おどろくほど退屈で いとおしい
午後で}
きのう、オジギソウが発芽して
日記にそのことは書かなかっ ....
僕は振り返らないつもりだから
はぐれないようについてらっしゃい
迷路のような路地裏すいすいと
君はわたしを連れ去ろうとしている
銀色の猫とすれ違い
「にゃー」
は、どうやら「やぁ ....
この世で一番尊い想いが
醜悪であったとしても構わない
と 言われた事は
私の一生分の涙を掬っていった
美しいものに惹かれる気持ちが綻んでしまったら
もう二進も三進もいかなくて
....
冬だって
やがてやってくる暖かさで
春になる
悲しみだって
やがてやってくる笑顔で
幸せになる
酸性だって
やがてアルカリ性と混ざって
中和する
キャラメルだって
やが ....
小さくて丸い
左右につりあがった二つの 窓の中で
僕は長いあいだ外を見ている
せまくも感じるこの二つの窓から
見えるものは
美しくて
汚くて
....
{引用=
薄いスカーフのように
あなたの面影は
風にさらわれた
私への叫びも残さずに
あんなにも抱きしめたかった
しなやかなシルエット 柔らかさ
....
この町が余りに寂しそうなので
一人遊びする 例えば
跳ね橋の上でドリアンが食べたい
皆に嫌われているので
誰も居ない明け方食べたい
橋のあっち側に好きな人がいるから
....
そんな午後
君と出あった
思い出を重ね塗りしていたら
季節も空を
秋色に塗り替えた
白い秋を
ありがとう
ファーストペンギンは
勇気があるから真っ先に
海に飛び込むんじゃないよ
後ろから迫ってくる
他のペンギンたちに押し出されて
ぽちゃん
こんな感じ
そう教えて
プールに飛び込んだ君を ....
シーソーの両端にふたりで乗ると
どちらか重たいほうが地面に着くんだ
シーソーに乗る前から分かるものなんだ
どっちが重たいかってことは
駆け引きなんてものはない
君がいくらわたしの方が
重た ....
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