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夜に光る冷たい指輪は
体温を吸い取ることもなく
月の周りを、一晩かけて
くるりくるりと廻ります。
君の下唇に残された
あかいルージュ
のような灯火に
優しく雨が降 ....
ふと、風が止んだ。
ひととせの幻を手に
いくとせも彷徨う旅人
一体何に酔っているというのか。
帰る場所は{ルビ何処=どこ}に捨ててきたというのか。
正午を少し ....
ひどく僕の指先が透明になる気がした
記憶の中の君は後ろ姿ばかりで
どんな表情だったかも思い出せない
ぼくは少しぬるくなったコーヒーを飲みながら
君がいつ帰ってくるのか、こっそ ....