すべてのおすすめ
そらの藍に背中を押されて
家路をたどるころ
夕餉の細い煙が
むんと鼻先に迫る
白い炊きたての匂い に
立ちすくむ
かきむしられるこころ
そして行き着くのは
誰かに会わなくて ....
空を
見上げようともしない、君の
泣きはらした頬の ぬくもり が
染みる
舌足らずな恋は
時を止めるすべも知らず
いたずらに季節ばかりがすぎて
最後の秋
西日を受けた
一面の ....
夏の終わりの河原は
餌付けされて、もはや野生とは呼べない鴨たちの
小競り合いを眺める人、も まばらで
あなたは
鴨と
餌をまくジャージ姿の老人を眺めて
微笑んでいた
すこし曲がったそ ....