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 タケイ・リエの詩集『まひるにおよぐふたつの背骨』は、詩を書くときの自我、あるいは詩を書くときにかかわらず、人間が本源的に備えている自我の在り方について、詩という形式の持つ直接性を用いて我々に訴えかけ ....  起床から睡眠に至るまでにいくつもの粒子が整列していた。それらは貝や木の実や爪だったりしたが、あちこちを眺め回しては倦怠で門のようなものを開くのだった。年齢という数字が記号でもあり連続でもある、そして .... 地面とじかに触れ合う春は
たった一つの落し物をした
そのたった一つの落し物が
みるみるうちに散らばっていって
こんなに豊かな花々になった
花々は凍り続ける
大気が花々を許すその日まで
 ....
               ――D.K.へ

訃報を受けた次の日、近場にある温泉宿へと自転車で行った帰り道、途中にある長い坂を登りながら、私に不意に訪れるものがあった。あなたの位牌の前で深々と頭 ....
特に忘れることができないのは、私がこれらの作品のうちの多くを、決して冗談でなく、遺書と考えて書いたということだ。そして純粋に自分一人のために、私というただ一人の読者のために、力を尽して書いたということ .... 0.序論

 詩は言葉の信用性を失墜させていないだろうか。詩は、一方で、表現主体の内面を最も率直に表現する媒体として使用され、もう一方で、読者にとって美しくなければならないという要求のために真実を ....
0.はじめに

 詩人が、詩を知らない友人に詩を紹介する。さて、よくありそうなこの風景の中では、いったい何が行われているのだろうか?
 まず、詩人は詩には価値があると考えているだろう。ではなぜ、 ....
0.はじめに

 殿岡秀秋は弱い人間である。だがこの弱さは詩人にとって必要な弱さである。まず、殿岡は武装しない。思想や理論や謀略や機知をことさらにめぐらすことをせず、時間や連想の流れの中に素肌で漂 ....
 私が初めて感銘を受けた絵はピカソの「ゲルニカ」である。中学のときだった。白と黒だけの焼けつくような不毛さの中に、形体と形体との矛盾が組み敷かれていた。牛や目や人が、本質へと刈り込まれた後の鋭さで、生 ....

すこやかな悪魔が科学の哀しみをそぎ落とす、見下ろす風景に書かれた哲学を精密に削り出している。緑色の空の稜線を白い葉が伝っていく、清潔な堕天のおしゃべりに体積をついやしている。悪魔はしなやかな ....
 私の中には時折他人が入ってくる。私が食器を洗っていたとき、気がついたら私は田淵さんだった。田淵さんは私の部屋に勝手に入ってしまったことを申し訳なく思い、靴をはいて部屋の外に出たが、そのとき田淵さんは .... 0.はじめに

心斎橋を歩いていると、すれ違う人々の肛門の悉くに言葉の端子を捻じ込んでやりたい衝動に駆られることがある。(中略)だがその無数の肛門に捻じ込みたい言葉は、なぜか優しさに満ちている。
 ....
0.はじめに

 廿楽順治の詩集『たかくおよぐや』(思潮社、2007年)を語るには、その規範逸脱の仕方やモチーフの特殊性に言及するのが恐らく適切であろう。閉ざされた空間ですべき愚痴や否定的感情の吐 ....
0.はじめに

 例えば外を歩くという行為を考えてみよう。その際私は歩く場所として歩道を選択し、車道は歩かないだろう。そのとき、歩き方は「人間は歩道を歩くべきだ」という一定の社会的な規範に従ってい ....
悲しみの釣堀をひけらかす
魚の泳ぐバージンロード
手のしわが直線だらけなので
手相がすこぶるよい
魚肉精神と手相精神の葛藤絵巻
から甦る土地のものぐさ
すべての平安時代は交通安全週間だった ....
N.K.さんの葉leafさんおすすめリスト(45)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
タケイ・リエ小論- 葉leaf散文(批評 ...9+12-6-10
大洪水- 葉leaf自由詩512-5-13
- 葉leaf自由詩1212-4-26
挽詩- 葉leaf自由詩412-1-19
岩尾忍詩集『箱』小論- 葉leaf散文(批評 ...7*11-12-14
田村隆一論——フィクションの危険- 葉leaf散文(批評 ...4+*11-12-6
谷川雁論——自己愛と自由- 葉leaf散文(批評 ...3+*11-12-2
殿岡秀秋小論- 葉leaf散文(批評 ...3*11-11-29
絵画の定義- 葉leaf自由詩5*11-11-28
探索- 葉leaf自由詩3*11-11-27
他人- 葉leaf自由詩6+*11-11-26
さよならパリ——高塚謙太郎とボードレール- 葉leaf散文(批評 ...2*11-11-26
物語—半物語—物語- 葉leaf散文(批評 ...4*11-11-18
詩作行為の倫理学- 葉leaf散文(批評 ...5*11-10-15
yesterday_all_my- 葉leaf自由詩408-9-28

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