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冬の薄灰色の空に
硝子の太陽
私が歩む通り沿いの柵には
光沢のない有刺鉄線
遠くに鉄塔群

私の今のこの歩みは
自分の部屋へと帰るためだが
それでいて
どこへ向かっているのでもない! ....
けれども胸は 青く傾斜してゆく 怯える意識には
透明なふりをする思惟が 蔓草のようにからみつく
窓の外では 涙のように 果実の落下がとめどなく
そのさらに遠く 地平の丘の上では 二つの白い塔が
 ....
(チューリップが 咲いたよ)

君は少しずつ
透きとおって消えていった
虹色の血液をめぐらせる
心臓と血管だけは
しばらく其処に残っていたが
やがてそれらも
透きとおって消えてしまった ....
月下美人さんの塔野夏子さんおすすめリスト(3)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
硝子の太陽- 塔野夏子自由詩3*08-12-17
月のない夜- 塔野夏子自由詩20*08-6-1
春の窓辺で- 塔野夏子自由詩7*08-4-5

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