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祖父死亡 十一月八日
}
長針目に焼き付く伸びよいいと言うまで
火口は目玉の痕祖父よここでも這いずったな
立つ遺族の脛に脂がこびりつく
夜露散る宇宙は傑作だが疲れる
....
春めいてうとうとしててお正月
俺パソヲタだから眼鏡買わなくちゃ
耳のある方へ曲がっていく轍
日に一度指の本数確かめる
可哀そうな美人倒れていないかな
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心臓の裏から散る紙吹雪赤
時差で今発煙筒を挙げている
刺した画鋲の並行世界で画鋲抜く
引き裂く手の感覚思う丘の上
人魂がある草原はずっと青
何を思えば月のように浮かんでい ....
欺く地図逆さにし折る鶴の形に
光る雲なんか見たことない黒い水の排出
やまくさかんむりさんずいへんひとはしらはし
町並みを星が遮ることもある
渦なれどなぞるには感覚を要する
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隣のおねえさんいつもフランスのにおい
屑篭の唇太陽にも濡れ
出世して消しゴム係補佐になる
見たことも無いのにやはり遺失物
空っぽな時もドキドキする器官
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天気図に愚妹押し当て銅線引く
鞄に灰詰め旅人塔遠くから見る
時が止まれる木を育てている砂漠の真ん中
零時着現地解散十九頭
立ちすくむ響きの行き止まりの野原
月にあるという ....
君の左胸に棲むような美しい臓器になりたい
カップラーメンに朝日差し込めばきっと天使の死期も近い
冥王星なくなり平穏に過ごす日々
まさか虫歯にチェンバロが効くとは
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