言葉よりも不確かなものを
信じてみようと
努力なんてしなかったけれど
それはあるのだと
人づてに聞いた事があるの
だけど眼に見えないものを
その語感だけで捉えようとしても
は ....
高い空から照りつける
強い陽射しがじりじりと
焦がれた土は風の手に
夏の匂いと蜃気楼
細い川から流れ出す
静かな音でさらさらと
潤う水は風の手に
夏の匂いと糸トンボ
小さな店に ....
…時代が腐ってゆくとともに
それも腐ってゆく
もう戻る事のない
過去の栄光に
踊らされたくないの…
もうブランドと化したそれに
過去の面影はなかった
Dは8を刻み
Fは12を刻んだ
次々と産み出さ ....
目の届かないところで 何度も僕は殺されていた
気づかないままでいられたら まだ歌を唄えただろう
誰が見るわけでもないのに 淡い紅の線を引いていた
覗き込む鏡もないのに どういうつもりでいるの ....
とんでもないよ
どうしようもないよ
溢れだす
僕の存在
圧倒的な
喪失感
君が怖い
僕が怖い
僕の思いと
裏腹に
世界は
無情にも
姿を変え ....
(あいしてるについて
ゆりかごに乗せて寝かせてみたり
バギーでおとなしく座って
目玉の病院
待合室にて。
おしゃぶりがいらなくなった 季節
こいしてるとのちがいを探すこと
いみのない ....
べれいれん…だなんて
あのひとが新聞に目を落としたまま
ひとりごとを言ったような
ヴァンヘイレンがどうしたのだなんて
おまぬけな返事をしてしまった
わたし
べ平連
ベトナムに平和 ....
「昨日と言っていることが違うよ」
「考えが変わったんだ」
「日和るんだね」
「そうかな」
+ +
この空のどこかに宝が埋まっている
この空のどこかに宝が埋まって ....
「北大路 京介くん」と 紹介し
「彼氏じゃないの いいお友達」
18歳のわたし
初めての アルバイト
働いてみたかった ただ それだけだった
ひょんなことから 15歳のゆきちゃんと巡り会った
「家庭教師をしてください」
でも、ゆきちゃんにはお金がなく ....
映写機のフィルムに
小さく写る
笑顔に気づいて
囃す言葉
幸せと実感
少しも嫌悪はなくて
青い鳥みたいに
僕の遠くを
羽ばたいている君
曇り空は
いつしか晴れて
自然の中を吹き抜けてゆく風は
循環している
その中で生き物は同じ場所で
絶えず同じ命を繰り返す
街の中を通り抜けてゆく風は
まっすぐに流れている
その中で生活する人々は
絶えず便利さ ....
珈琲の味。
酎ハイの味。
煙草の味。
お昼の味。
僕の味。
失礼な味。
感じてしまう、
キスの味。
蜜の味。
私は医者じゃないから あなたの病を治せません
私は画家じゃないから あなたの笑顔を描けません
私は芸人じゃないから あなたを笑わせられません
私は詩人じゃないから 愛の言葉なんて贈れ ....
闇に川音の迷う{ルビ硲=はざま}の村
トンネルに切り取られた高架橋
しじまを蹴散らしていく道しるべ
{ルビ硲=はざま}に閉じこめられていた記憶が目を覚まし
一瞬顔をしかめるも
手招きに不安を ....
大きな お城 丘の上
お姫様が住んでいて きれいなドレスを着てました
太陽の昇る日には 葡萄酒とパンを
月の欠けた夜には 微笑みと言葉をくれました
さよならジュリエット 手をひかれ ....
砂糖を自分に振りかけたら
あっという間に
セピア色。
哀愁は空に浮かんでいたけど
めんどくさいから
つかまえようとはしないよ
光の風は夢の中に。
いい景色見たかったから
今日は ....
気づいたら
自分の後ろに
千の詩がこぼれていた
足跡とともに
時には運命に悲しみ
時には人に喜び
生きてきたことを
生きていることを
感謝する
まだ前に道は続いている
そう
まだ ....
コンビニで
買って来た耳栓は
誰かの言葉に
惑わされないように
君の言葉
聞こえなかった
自分の声すら
聞こえなかった
喋っているのか
喋られているの ....
思いがけず強い力で押され
はっとする
そして君は自分にとまどっている
そんなふうに
わたしがよろめくとは
思ってもみなかったのだ
どこからわいてくるのか
その力は
どこへいったのか ....
人の描きしものをおもう
哀しみは空を翔ぶ
この雑踏を歩いてゆく
そんな、すれちがう街の空気までもが
ただ、きみを切り刻んでゆく
道 ....
数多のあなたから
発信されることばに
わたしは固くまぶたを閉じる
それらを愛さないために
西側の、部屋
窓に切り取られた風景のなかで
遠く稜線がたそがれてゆく
そう
書いたときには ....
きみがもし
にさんかたんそを
はくのなら
ぼくはそれさえ
すうとちかうよ
きみがもし
にさんかたんそを
すうのなら
ぼくはそれさえ
あいしていくよ
そしてもし
すこし ....
溶けて、しまいますから
特大の冷蔵庫と
飴玉ひとつ
用意して
下さい
ふらり
ふらつく私を
さらり
掬いに
きてくださる
あなたへ
....
立っているだけで
汗が落ちてくる夏の
その夜
星が飛んでいた
短い夜の間だけ
羽ばたいていた
月へ向かおうとする星
大地へ降りようとする星
それぞれの運命に従って
音もなく
飛んで ....
地獄に堕ちた時のために
蜘蛛でも一匹
助けておこう
イヒヒヒヒヒヒヒヒ
蜘蛛を探しに山に出かけた男は
崖から落ち
今 ....
つきと金星のあいだに
カチャリと流れていったものが一瞬をすぎて
それは未来のような行方で
幸せとか苦しいとかというものと別次元
何もない世界のもとにある、わたし
すべての動作や感情を ....
遠い山の稜線が
水墨画のように
かすんで
ゆるゆると
時間だけが
澱のようにたまっていく
さがしているものは
光りにはじける 青
とろりと熟した 赤
なげだされたキャンバ ....
知ってることが全てじゃない
あるいは歪んでみているのかも
まっすぐ歩くつもりが
それてしまうように
傲慢さに気をつけよう
限界なんて最初からない
作るのは自分だ
....
夕暮れに
打ち水をした小雨
気が付いたら
夏の涼しさが
玄関に居座っていた
そんなことが
嬉しく思える
わたしは
人に生まれてきて
良かった、と
意味もなく
悶々とし ....
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