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{引用=
 /ゆるやかにカーヴした、なまぬるい運河を泳いでいく、とてもとても遠い夢を、ぼくはみていた。かつて、水の膜が皮膚を覆い、閉ざされたその海で、波間をたゆたう、不定形な固体だった。長く、 ....
{引用=
{ルビ錘=おもり}によって、わたしの外側の水位は上昇し、その先のどこにもふちはなく、溢れることができないままの記憶を、てのひらですくっては、こぼして、すくっては、こぼす、そうやって衰 ....
   {引用=ぼくたちの未来は いつも、さよならで終わっていくの?}


地球儀をまわしすぎたせいで
透きとおっていたものが
濁っていく 
あの日、
チョークで描いた線路が滲んで
二十 ....

水溶性の喧騒に混じり入る
マーブル状の
夜の鳴き声

脈が終わって、それでもなお
時は余る




疎林のまばらを
記憶で埋める
蔓はどこまでも
遠く伸び

驟雨 ....
昨夜、遺伝子と数回にわたって交合したけれど
最後まで、ぼくが触れたのは
ぼく自身の器官だけであったので、
結局のところ どんな言葉でも形容できない



感性や知性を、すべて破壊したい
 ....
気づいたときには、わたしが
わたしという輪郭に 縫いしろを足して
日常から切りとられていた
景色はいつも、ひどく透明なので
ふりかえっても もう
戻るべき箇所を、確かめることができない ....
わたしの棲む場所を流れる川に
水はない

誰かが
橋の上から捨てた言葉を
灰色のさかながついばんでいる


     *


夏の暑い日、わたしは
忘れてしまいたい過去の過ちと ....
いくつもの読点で、あなたを区切って
体内へと運ぶ


元のカタチを、思いだすこともできないくらいに
細切れに、咀嚼していく
小指の爪から、過日の砂が落ちて
潮の匂いがした


 ....
{引用=からだのすべてを耳にしてしまいたい、いっそ}




糸電話から伝わった振動が、
あのひとの声だったと気づいたときには、もう
音もなく、底はふるえない
わたしを塞いでいく夜にも ....
正気を失いながら、それでも
わたしたちは、生まれてしまうのだろう
何度も、何度も、
そしてほんとうは
一度だって、死んだことはなかったのだと
臨終のそのときに、知るのだろう



  ....
枝分かれしていく 夜の
長く、しなやかな腕は
わたしを覆いながら それぞれ
しだいにたわんで その先端からやがて
着地し、朝に触れる



不必要なほどに震える あなたの
声と、指先 ....
晩夏の草むらに足を踏み入れると
かわいた空気がひび割れて
よれた、真っ白いシーツが敷かれ
見たことのない男が横たわっている
あばらの上には、何本もの{ルビ径=みち}があり
そのどれもが、わた ....
さよなら、さよなら、


記憶を解き放って 
遠ざかる夏の
四角く切り取られた 空


枠からはみだした場所では
かなしみによく似た顔の
ぼくたちが
今も、酸欠になっている

 ....
海岸線沿って定規で空を引く色鉛筆で画け得ぬ青




深く深い場所まで熱せられていくオーバーヒート前の打ち水




おしなべて心を乱す約束と雲の行方をだれも知らない

 ....
夜が、二足歩行で
足早に通り過ぎていく音を
淡い錯覚にくるまりながら、聴いていた
抱きしめあう行為は どこか
呼吸と似ていて、ときどき
わたしたちは声を漏らす
ともすれば ....
ゆるこさんの望月 ゆきさんおすすめリスト(15)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
バースキャナル- 望月 ゆ ...自由詩9*10-12-29
楽園- 望月 ゆ ...自由詩8*09-11-18
孕む、風を、未来を- 望月 ゆ ...自由詩24*09-8-11
輪廻する、夏- 望月 ゆ ...自由詩12*09-4-3
未完の、ソネット_「残響」- 望月 ゆ ...自由詩20*09-3-14
運針の、記憶- 望月 ゆ ...自由詩41*08-7-28
水の空席- 望月 ゆ ...自由詩49*08-5-13
カニバリズム- 望月 ゆ ...自由詩43*08-3-22
朝の、底- 望月 ゆ ...自由詩31*08-2-20
さしすせそ、- 望月 ゆ ...自由詩38*08-2-16
かさなりつづける、朝に- 望月 ゆ ...自由詩40*07-11-28
径(みち)- 望月 ゆ ...自由詩20*07-10-17
やさしみ- 望月 ゆ ...自由詩42*07-8-27
凪いでいく、夏の、- 望月 ゆ ...短歌26*07-8-11
リスク、- 望月 ゆ ...自由詩61*07-7-9

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