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いだいてくれていた
ちからがぬけていく
だれのまえにもでない
ねいろで
いとしさで
ふさいでいてくれていた
もういいよ
めをかくしてくれていた
いじのわるいてが
なきむしのように ....
かぶとの木と呼ばれていた
通学路沿いの
道から少し滑り降りて入る草薮の中の
真ん中がくり抜いたようなくぼみのある木
樹液が蜜のようで 夏にもなると
かぶと虫や ....
火をつけた
裸ではないから あなたは
時の中へ流れて行く
服の重みに
囚われてやしないかなって
灯籠から 灯りをこする爪の音
ぼんやりとあふれてるぬくみに
口をつけて すすって ....