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やっとのことでぬくもった指が
水にふれた
気がした
また凍るのか
雪の味をいつまでも
いつまでも憶えていて
そういえばそれはひどく愛しかった
はるか上空から
落ちて ....
ひとつひとつに
名前なんてなかった
きみだけが知っていた
美しい世界
神さま
ねえだから
きみは神さま
みんながうまれたときに
さいしょに泣いてくれたのは
きみだったな
あわくする ....
白い手首から
あかいなみだが滴りおちて
砂に染みた
日をしるたびに乾かされる
ざらついた海の響きが
耳に刺さる
あらゆる事象が眩しい
それまでも花の咲く過程だときみはいう
半信 ....
産まれたのは透明な冬
冥王星のなまえをもらった
彼女は海に飛び込む
後姿は蝶の背骨
白い指で息を止めても
朝はきっと来ない
細い髪がやわらかくゆれる
スローモー ....
ゆるされない原色のスニーカーをはいて/きみは逃げる。
閉ざされた校門をぎい、と引いて赤錆にふれる。
チャイムを背中に叩きつけられながらそうっとすきまを抜けていく。
クラスメイトの顔はも ....
ようやく朝がきているよ
そんな嘘で早起きをした
きみのなかはどうなってるんだろう
街中のプラスチック踏んづけて
はだしできみを追いかける
冷えたアスファルトとうらはらに
....
水中ではうたもうたえない
だけど泣いたってわからない
ささやかなゆれはわたしの体温になって
さかなたちの集うよるがくれば
ふやけた指先からあふれていく
あらゆる目線の延長上 ....
蝕まれる日のいろをぼんやりと眺めてた
次の宇宙がうまれるまで
ぼくらはここに立たなくちゃならなかった
一度でもきみがさみしいを言っていたら
ぼくだってその腕をつかんで ....